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  •  こんにちは。
     間が空いてしまいましたが、自主企画「馴れ合いはいらねぇ。それぞれの作品を取り敢えず10話まで読んで、率直な感想だけを述べるんだ。」の趣旨に沿い、第12話まで読ませていただきました。

     やはり文章力は高く、世界観や人物の作り込みも丁寧だと思います。おそらく1ページごとの文字数がそこまで少ないということはないと思いますが、文字数や設定の重厚さが負担にならないくらい、とても読みやすいです。また、1話ごとに興味を引く展開があり、次の話が気になるように構成されていると感じます。
     キャラクターに関しては何と言っても主人公のアトさんが魅力的です。仕事を引き受けたからには困難やストレスにも挫けず立ち向かっていく姿は、読者として応援せずにはいられないものだと思います。

     ただ、一方で本作の最重要キャラクターであろう泱容が、事あるごとに彼女を「不細工」だ「猿」だと罵るので、僕個人としては、外見の良さが強調されたり、境遇のつらさやアトさんと打ち解けていく様子が描かれたりしたところで、彼の株が上がる余地はまだ全然ないように思っています。
     おそらく、泱容は偉そうに構えておきながら精神年齢が低く、特に恋愛らしい恋愛をしてこなかった、それを反映してこの描写になっているのでしょうから、人物造型として間違っていないと思います。しかし、僕が思うに一般的な感覚では、女性を攻撃する時とりあえず顔の悪口を言う男性って、(人間観が浅はかな点で)幼稚で底が浅い、(同じことばかり繰り返す点で)愚鈍で面白味がない、(女性の顔さえ攻撃しておけば相手を傷つけられると思っている点で)無教養で器が小さいなどネガティブな印象しかない気がします。「最初は嫌な奴だったけど、打ち解けてみると……」という展開はジブリ映画でも少女漫画でもよくあるものですが、さすがに嫌悪感(ヘイト)が高すぎないでしょうか。いや、でも、最初はこれくらいの方がいいのかな……(まとまらない話ですみません)。

     物語の方向性に関しては、最初の印象では政治系の駆け引きがメインの話と(僕が勝手に)思っていたものの、ふたを開けてみると、後宮恋愛モノとしての側面が意外と強かった、という印象です。もちろん、政治や人間関係の駆け引きに文句があるわけではなく、個人的にちょっと意外だっただけです。
     どうしてこんな印象にあるのか考えてみて、確信がないながらに思ったのは、もしかすると心情描写が理由かもしれないということです。本編においてキャラクターたちの心情描写が最も克明なのが、アトさんが泱容の本質を垣間見たり、泱容がアトさんに興味を持ったりする部分のような気がします。いや、これが問題だとは言いません。ただ、それを踏まえて改めて考えると、最も慕っているであろう月映兄さんのことを含め、あらゆる男性を恋愛の文脈で見ていないアトさんが、保護対象の分際で嫌がらせばかりしてくる泱容に、そこまで強く関心を持つのかな、というのが気にならなくもないです。
     泱容の顔が良いことはアトさんも認めざるを得ないという描写が、本編中に何度かあったと思いますが、もし彼女が、自分のおしゃれも考えない、不細工だ猿だと言われても怒るだけで自信喪失はしない、男性や恋愛に興味がないという女性なら、泱容の顔面に対しても、初対面のとき顔を覚える以上の反応は見せない、くらいが自然なような……。
     また、泱容のつらい境遇を知って自分までつらくなってしまうのは純朴なアトさんらしいとは思いますが、アトさんの境遇なら、自分とは言わなくても身近な人々(それこそ月映兄さんなど)が不条理な目に遭ったという話はよく聞いていそうですし、となれば、多少のことでは動じなかったり、他のもっと悲惨な例を出して「あれに比べればマシか」と考えたりするくらい感覚が麻痺している可能性もありそうです。そう考えると、泱容に対して正面から感情移入しすぎているような気が……。
     いや、「アトさんはこういう人であってほしい(泱容なんかに絆されないでほしい)」という僕の願望が強すぎて、そんな気がしているだけかもしれません。

     当然ながら、以上申し上げたことが妥当であるにせよ的外れにせよ、書き直せとか路線変更しろとかそういうつもりは一切なく、「僕という一個人はそういうふうに思いながら読みました」という報告程度のお話です。他の皆さんは全然そんなことないかもしれません、というか、誰も僕みたいには思わない可能性の方が高いと思います。
     また、最後にもう一度申し上げておきたいのですが、本作は間違いなく、完成度が高く、物語も人物も面白く、読んでいて引き込まれる作品です。もっと多くの皆さんに読まれ、ふさわしい評価を得ることを願っております。

     長文失礼しました。

    作者からの返信

    特に恋愛を意識するつもりは無かったのですが、泱容がどうにも粘着…
    強い系女子は寄りかかられる…
    そんな中でも彼女の思うままの答えを最後出せるようにしてやりたいって親心ながら思っていたりするのですが。
    そうなんですよね。
    泱容は名前が
    “泱泱たる水を湛える大器”
    何て名前のくせに、チョー器ちっせぇ奴なんですよね~
    アトがこの男に引っ張られてるのは“ほっとけない弟”だからなんですよね。
    どっかで弟エピでも入れて重ね合わせる場面を入れるべきですかね……。
    その点、器用で何でもできちゃう月映はアトからすると
    “安心できるお兄ちゃん”ゆえに
    構う対象ではない、というか、むしろ足引っ張らないようにしなきゃっ!!
    なんて、いらん気遣いをしてしまっているのです。
    まぁ、泱容にはこれから苦しんでもらおうと思ってますがね!!
    わーはははははははっ!
    苦しめぇ!
    苦しむが良いいわぁ〜っ!!
    自分が撒いた種に苦悶するがいい!!!

  • 第1話 帝都への旅路 への応援コメント

    「馴れ合いはいらねぇ。」企画から来ました。

    1:注釈はあとがきに書く。でも「なろう」のようにあとがき機能がない「カクヨム」ではどうすればいいのか。そこでいろんな作品をみるんです。

    ――というダッシュ線を10本くらい引いて
    (※1)と本文のすぐ後ろに書き、ダッシュ線の下に※1:~と用語の説明を
    行います。

    2:歴史系は特にそう。8日前ではなく「八日前」。まあ本当は原稿用紙って縦書きなんでアラビア数字表記って間違いなんですって。そんなの昭和のルールじゃんって思うし私も思うけど公募に出す場合は要注意でこれ落ちるポイントです。何でそんなこと言うのかっていうともしかしたらこの作品は化けるかもしれないからです。

    3:会話文は上下1行開ける

    4:イヤ少年

    ここがもったいないですね。「いや……少年だ!」じゃないですかね。

    ※10話分の感想を一気にここにまとめてます。

    作者からの返信

    ご丁寧なご指摘
    感謝しかないです🙇

    なるほど注釈はそうやって入れてるんですね (知らなかった…(汗))
    推敲を重ねて読みやすいか
    要らん文は入っているか
    確認してはいるんですが
    シロートなもので…
    こうして指摘していただくと勉強になりマス
    ありがとうございます(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠♡

  • 第2話 鬱々たる都入りへの応援コメント

     はじめまして。

     自主企画「馴れ合いはいらねぇ。それぞれの作品を取り敢えず10話まで読んで、率直な感想だけを述べるんだ。」でお見かけしたので、そういうコメントを送らせていただきたいと思います。
     ですが、すみません、企画の趣旨としてはとりあえず10話まで読むべきなのでしょうが、僕はまだそこまで読めていないので、第2話までの話で失礼します。
     というより、僕は参加作品の10話まで読んでいく自信がなくてこの自主企画に参加さえしていない身なので、そこは大目に見ていただけると幸いです。
     少しでも不快に感じたり、的外れだと感じたりすれば、丸ごと無視してくださって構いません。このコメント自体に誤字脱字、意味不明な箇所などがあったらすみません。

     全体的な改善点としましては、Web小説というよりその外で「小説の基本」とされている、いくつかの形式がありますので、ひとまずそれらに触れておきます。

    ・「……」、「――」などの記号は、基本的に1つでは終わらせず、偶数回くり返すものと聞いています。
    ・「?」、「!」の直後は、閉じカッコ 」が来る場合以外は1マス空けることになっているようです(このルールについては拙作『文章チェックのヒント』でも触れていますので、よろしければご確認ください)。
    ・横書きならアラビア数字を使っても良いのですが、本作は漢数字を基本としているようなので、それならそれで統一するのが良いと思います。
    ・本作は所々で(Web小説としては)1文が長くなるので、意味の区切りで読点「、」を打った方が読みやすいと思います。

     第2話までの該当箇所を逐一列挙することも考えたのですが、それだとこのコメントが長くなりすぎますし、突然あまりにも長いコメントを送られても困惑されてしまうだけでしょうから、原則としてその指摘は省略させていただきます。
     ただ、漢数字に直すべき箇所と、「、」を打った方が良いと思われる箇所については、なるべく細かく列挙させていただくつもりです。また、他の改善点を指摘するために原文を引用した場合は、上記のルールに基づいた修正案を提示させていただきたいと思います。

     以下、細かい箇所について、改善点を指摘させていただきます。
     原文を引用した後、偉そうに→「 」で修正案や解説などを書いていますが、便宜的にそう呼称しているだけのものです。絶対にこう直せとか、俺様の言うことが正しいのだとか、そういうことではありません。人様の文章を批判しておいてその理由に誤解が生じるのは不本意だから解説を付けた、同じく、批判しておいて対案を出さないのもどうかと思って修正案を付けた、というだけです。

    第1話

    「舟に揺られて7日目の朝、少女は顔の上を飛んでいる蜻蛉をぼんやり眺め寝返りをうった」
    →「七日目」。また、「ぼんやり眺め(、)寝返りをうった」

    「左には草蒸した堤防が永遠と続き、右には遥か彼方の向こう岸の堤防から山の稜線がちらつく」
    →「延々と」
     直後に「延々と続く似たような景色に」という表現があるので、重複を避けたのかとも思いましたが、誤用ではあるということで、お気づきでない可能性を考えて一応指摘させていただきます。

    「※緇撮…頭の登頂部で髪を結い上げ上から布を被せた男性の髪型」
    →(「頭の」を削り)「頭頂部で」

    「陸路よりは遥かに早く着くんだからこんなとことで根をあげちゃいけねぇよ」
    →「こんなとこ(あるいは“こんなところ”)で」。また、「音をあげちゃいけねぇよ」

    「アトは眉を潜めたが男は笑っている」
    →「眉を顰めたが」

    「アトは関心して船頭に倣い釣糸を垂らし始めたばかりだったが…」
    →「感心して」。また、「ばかりだったが……」

    「すると行く手が二又に分かれていていくつも弧を描く城のような水門がその上をまたがっている」
    →「見ると、行く手が二又に分かれていて、その上を、城のような水門がいくつもの弧を描いてまたがっている」
     おそらく「いくつも弧を描く」と「城のような」がともに「水門」を修飾している構図だと思いますが、「、」を打っても少々読みにくいような部分なので、語順を変えるのが良いと思います。

    「迫りくる巨船の壁は岸に近い程密になって磨り潰されるような気さえしたし、途中何度もぶつかりそうになってその度船頭は楷をつっかえ棒代り相手の船の壁を押しやって避けた」
    →「楷をつっかえ棒代わりに相手の」
     「に」があった方が良いのではないかと思います。また、送り仮名については、次に引用する箇所と第2話で「代り」ではなく「代わり」になっていたので、ここも「代わり」にするのが良いと思います。

    「アトは船頭に礼代わりの軟膏を渡し船頭と別れた」
    →「アトは礼代わりの軟膏を渡し(て)船頭と別れた」
     1文中に「船頭」という言葉が2回出てくるので、どちらかを削っても良いように思います。

    「それは8日前のこと。若い男が父の手紙を携えやって来たのだが…」
    →「八日前のこと」。また、「やって来たのだが……」
     漢数字と「……」ですね。

    「その男は青い麻地の※曳撒を纏い恰幅の良い如何にも軍人という男だった」
    →「纏った、恰幅の良い、如何にも軍人という」
     1文が長く、二重主語を含むので、「、」があった方が読みやすい気がします(二重主語については、簡単にですが拙作『文章チェックのヒント』で触れていますので、よろしければご覧ください)。また、「青い麻地の」以降はすべて文末の「男」を修飾しているので、「纏い」と書いて次の用言につなげるより、「纏う」あるいは「纏った」と書いて体言につなげた方が良いと思います。

    「軍人が珍しい訳ではないが直接村に来たと言うのが普通ではないのだ」
    →「珍しい訳ではないが、直接」

    「なにせ張岩村は山奥、それも役人を派遣できないから事実上の自治状態になっているような場所にある」
    →「なっている場所だ」
     主語と述語の関係を見ると、「張岩村」=「場所」(「場所」が「事実上の自治状態」でそこに「張岩村」が「ある」のではなく、「張岩村」が「事実上の自治状態」の「場所」)のはずなので、「場所だ」、「場所である」という書き方が良いと思います。
     原文の「ような」は婉曲なので、削っても問題ありません。削らねばならないと言うほどではありませんが、Web小説としては1文が若干長い印象なので、文字数を減らすために削ることを検討してもよいのではないかと思います。

    「それでも背筋を立てアトに小袋と共に手紙を黙って押し付けると介抱もあまり受けることなくさっさと帰っていったのである」
    →「押し付けると、もてなしも(ろくに)受けずさっさと」
     辞書には「介抱」は「病人・傷病者などの世話をすること」とあります。もしかすると客人をもてなすことを「介抱」と言うことがあるのかもしれませんが、「もてなし」とした方が、違和感を覚える人が少なくて済むと思います。

    「※髻…髪型」
    →「※髻…髪を頭の上に集めて束ねたところ。髪のねもと。たぶさ」
     おそらく書きかけのものが載ってしまったのだと思いますが、解説にしては情報不足な気がするので、僕の手元の辞書の説明を修正案として書かせていただきます。

    「見慣れた米や小麦など穀物が入った麻袋だが量が半端じゃない。壁になるほど山積みしているし、慎重に運び込まれている櫃の中身は色鮮やかな反物だったり、宝石だったり、簪だったり、陶器だったり」
    →「見慣れた米や小麦など穀物が入った麻袋だが量が半端じゃなく、壁になるほど山積している。慎重に運び込まれている櫃の中身は(、)色鮮やかな反物だったり、宝石だったり、簪だったり、陶器だったりするようだ」
     原文「壁になるほど山積している」の主語は、意味のつながりから考えて、直前の文の「麻袋」だと思います。話し言葉だとごく自然な言い回しですが、書き言葉としては(読みにくいと言うほどではないにせよ)美しくない気がします。
     修正案はとりあえず上記のようにしたのですが、第2文にはちょっと疑問が残ります。辞書によると「櫃(ひつ)」は「上に向かって開く蓋(ふた)のついた大きな箱」なので、一般的に蓋があるはず。慎重に運搬しているとなれば蓋は閉められているでしょうから、通りがかっただけのアトは櫃の中身を確認できないのではないかと思います。

    「あっちにこっちに動き回る人も肌の色が黒かったり白かったり、(略)髪の色が金髪なのも茶色のもいたりした」
    →「金色なのも」
     目くじらを立てるほどのことではありませんが、「頭頂部は禿げ頭」的な表現になっている気がします。

    「兵士達はさっさとアトを後ろ手に縛り上げた。アトは身をよじって抵抗したが」
     段落の頭なので1マス空けるのが良いと思います。


    第2話

    「さて、アトはあらぬ疑いをかけられ牢に放り込まれ帝都を眼前に立ち往生するはめになって早三日となるが、一向にに出られる気配がない」
    →「放り込まれ、都を眼前に立ち往生するはめになり、早三日となるが、一向に出られる気配がない」
     1文が長いので「、」を打ち、これまでのところ他の箇所では「帝都」ではなく「都」か「城下町」と書かれていたはずなので一応そこに合わせ、「一向にに」は「に」が1つ余計なので削りました。

    「小太りで薄ら禿で糸のように目が細い男でここに来ると始終うるさい」
    →「男で、ここに来ると」

    「と捨てぜりふを吐いて引っ込んで行くのだ」
    →「引っ込んでいくのだ」
     この作品なら構わない気もしますが、辞書によると補助動詞はひらがなにするのが一般的とのことなので、一応注意喚起させていただきます。

    「違うよ!世話になってる大棚の旦那に預り証の代わりで借用書にして貰っただけだ。旦那に聞けば分かるさ!」
    →「違うよ! 世話になってる大店の旦那に」
     原文で「大棚」と見たとき何のことかと思ったのですが、おそらく「大店(おおだな)」という表記が正しいのではないかと思います。

    「ふーん?まぁ、何にしか都が…何て言うか…役人どもだな」
    →「ふーん? まぁ、何しか都が……何て言うか……役人どもだな」
     ネットを叩いた程度の知識でおっかなびっくりですが、「何しか」が正しいのではないかと思います。

    「この重量感がありながらもきびきび歩く足音明らかに見張りのハゲじゃない」
    →「足音、明らかに」

    「何してる早く来い!」
    →「何してる、早く来い!」

    「アトは答えようと言いかけたがラウが詫びをいれた」
    →「アトは答えようとしたが(、)(先に)ラウが」
     「答えようと(した)」と「答えを言いかけた」が混在している気がします。「、」と「先に」は、あった方が読みやすいと僕は思いますが、無くても支障はありませんし、文のリズムの関係もあるでしょうから、修正案では判断保留として( )で挟んでいます。

    「アトは背後の剣を左に躱し矢を避けながら馬車の外に飛び出て、剣を背後から突き刺してきた男の顎に頭突きを入れよろめいたところで剣を奪い、馬車の上に一足飛びに飛び乗ると」
    →「頭突きを入れ、よろめいたところで」
     外に飛び出たのはアト、(剣を)突き刺してきたのは「男」、頭突きを入れたのはアト、よろめいたのは「男」、剣を奪ったのはアト……という具合に、主語と述語というか、動作主と動作が入り組んでいるので、(息もつかせぬアクションシーンなのは分かりますが、)修正案のように「、」で一息入れた方が読みやすいと思います。

    「すると、馬車から大男と父が取り澄ました顔で出てきて父が」
    →「出てきて、父が」
     主語が「大男と父が」から「父が」に変わるので、「、」があっても良いと思います。

    「父がアトを嗜めようとしたがそれを遮って大男が大声で言った」
    →「アトを窘めようとしたが(、)それを」

    「アトの腕をグイグイ引っ張り再び馬車に乗せると今度は御者に出すよう指示を出し、ようやく馬車は走り出した」
     本文の描写をちゃんと考えると問題はないのかもしれませんが、アクションシーンの影響で、この時点でこの馬車は結構傷だらけ(下手すると穴だらけ)になっていないでしょうか。仮にそうなら、ボロボロの馬車を走らせて武官の(ひいては皇帝の)威厳が損なわれないか心配ですし、馬車が無傷ならそれはそれで、そのことにアトがツッコミを入れないことが不自然な気がします。

    「ならばもっと尊大で威圧的な態度をするもんだが、まるで対等同士のように接してくる」
    →「まるで対等な者同士のように」あるいは「まるで対等であるかのように」
     ちょっと微妙な気はするのですが、修正案のように言葉を足した方が良いような気がします。

    「孤児からの成り上がりは聞いたことはあるがいくらなんでも年が若すぎる」
    →「聞いたことがあるが、いくら」

    「この様子見て猛騎は察したようでこう説明した」
    →「この様子を見て」

    「猛騎はなんだか申し訳ないような哀れむような気の進まなさそう顔でアトを見たが、ラウは」
    →「申し訳ないような、哀れむような、気の進まなさそうな顔で」

    「獅子は我が子を…と言ったところでアトはビクッとなった」
     すぐ後に「アトの顔はひきつった」とありますが、「(体が)ビックとなった」後に「顔がひきつった」のではなく、どちらも同時に起こっていることでしょうから、どちらかを1文丸ごと削った方が引き締まった表現になると思います。

    「だがアトは心底笑えなかった」
    →「アトは素直に笑えなかった」
     「とても」「すごく」などもそうですが、程度や度合いを強調する副詞と打消の「ない」を組み合わせると、パッと読んだとき意味が分かりづらくなります。たとえば「ものすごく楽しくなかった」は、「ものすごく楽しいというわけではなかった」のか、「ものすごくつまらなかった」のか、解釈の余地があります。今回の場合も、「心の底から笑うというのは無理だった」のか、「笑えないと心の底から思った」のか、若干微妙な気がするので、修正をご検討なさってもよいと思います。

    「暫く馬車は走りやがて猛騎の邸に着いた」
    →(「暫く」を移動させ)「馬車は暫く走り、やがて猛騎の邸に着いた」


     改善点の指摘は以上です。

     最後に言うことではないかもしれませんし、こんなこと言うと上から目線に思われてしまうかもしれませんが、本作は基本的に文章力が高く、腰を据えて読もうとする読者の期待に沿うものとお見受けします。
     小説というものは、予想外の出来事が起こるだけでなく、それぞれの出来事がきちんと意味や重みを感じさせるものであることが重要だと思いますが、本作はその点、「ちゃんと書かれた小説」であることが文章から察せられます。そんじょそこらの異世界人がバトルをしているシーンよりも、アトさんが牢屋に放り込まれてしまうシーンの方が、よほど緊迫感があります。
     世界観はもちろん、船頭や樊さんといった脇役も細やかに作り込まれ、血が通っている感じがするので、それぞれの場面に臨場感があります。こういうところからも、良い作品であることが察せられます。
     Web小説界隈のファンタジーでは、本格派よりテンプレ系の方が読まれやすい傾向にあるようですし、特に中華風となると(僕も含めて)とっつきにくさを感じる人が多いと思いますが、世間の風潮に負けずに頑張ってください。


     長文失礼しました。
     このコメントは批判的な内容ばかりなので、ご確認くださった後は削除していただいて構いません。

    作者からの返信

    ありがとうございます(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠♡
    趣味で書いてるうちに
    書き込んでしまった作品ですが
    評価頂けたて感謝に耐えません
    また、ご指摘の点は悩みながら書いていたところでもあったので大変参考になりました。
    ありがとうございますm(_ _)m
    拙い筆ではありますが推敲を重ねてゆこうと思います。
    更新はちょっと時間がかかるかもしれませんが…ご容赦いただきたく存じます

  • あまり関係ないのですが、「十二国記」の世界が好きでしたねぇ。

    作者からの返信

    懐かしい苦悩する陽子がいじらしかったですねぇ
    チートが無いからこそ応援したくなる ୧⁠(⁠^⁠ ⁠〰⁠ ⁠^⁠)⁠୨


  • 編集済

    第1話 帝都への旅路 への応援コメント

    はじめまして。
    ・・・じゃなかった!
    ごめんなさい><

    これは本格的な作品ですね。
    ちょっと現在伏せっていますので、すこしずつ読ませていただきます。

    作者からの返信

    ゆっくりでいいですよ
    書きたいことを好きに書いてる
    好き勝手放題な文ですし
    楽しんでもらえたら幸いです♪⁠~⁠(⁠´⁠ε⁠`⁠ ⁠)