第7話 幼馴染

僕の部屋ワンルームでリカと暮らすのは流石に狭かったので同じマンションの上の階に僕達は引っ越す事となった。


有り難い事にシズカさんが全て手配してくれて、僕とリカは新居に少しずつ荷物を運び入れた…彼女との同居生活の始まりである…


そして更にリカは僕と一緒にスクールに通う事になった…こちらもシズカさんが上手くスクールの学長に話して妹ということで入学を許可して貰ったらしい。


リカのネットワークカリキュラムは登録できたからあとは、サークル活動を決めないと…


スクールの中を二人で歩いていると、「ダイちゃん!」親友のノブが声をかけてきた。


本名はノブナガといって、なんでも大昔に同じ名前の英雄がご先祖様に居たらしい…


でもノブは英雄というよりはお調子者で

いつもみんなを笑わせている…

僕の良き相棒って所かな?


ノブは僕の横のリカを見て驚く…


「うわぁ…可愛い子!ねえねえ…ダイちゃんのガールフレンド?」


「ま、まぁ…そんなところ!ハハハ…」


笑って誤魔化そうとしたが、リカはノブに向かって…


「初めましてリカと言います…フレンドって友達ですよね…リカとダイスケさんは友達ではありません…私はダイスケさんに買って貰って組み立てて貰った…」


「わーっ!リ、リカ…」


「ダイちゃんが買った?」


「いやぁ…この子、遠い親戚の子でさ…こっちに出てきたばっかで色々大変だったんだよ。だから一緒に昨日買い物に行ってさ…色々揃えたワケなんだよ…それで少しプレゼントしたから…」


「なるほど…家具やなんかもダイちゃんが組み立ててあげたのか!ハハハ…それは確かに友達以上の仲だよね…リカちゃんこれからよろしくね…」


「そうそう…そういう事!アハハハハ…」


なんとかこの場は誤魔化せたような気がする…


しかし、シズカさんが見立てた洋服を着たリカ…


可愛いなぁ!こんな彼女が居たらなあ…と僕は彼女を眺めていた次の瞬間…


「待ちなさいよ…」


幼馴染のミキが僕達を呼び止めた…


ミキは小さな頃からずっと僕の横にいてスクールでも何かと僕のやる事に口を出してくる…


「ダイちゃん…何よ…その子…」


「ああ…遠い親戚の子でこっちに住むことになったんだ…で、僕が面倒を見ることに…」


「ふうん…私、あなたと長い付き合いだけど

そんな話聞いたことないわね…」


流石に僕を幼い頃から知っているだけあって

彼女の瞳には全てを見透かされていそうな気がした…


リカはミキに向かって「初めまして…リカと言います…よろしくお願いします。」と挨拶した。


ミキはぶっきらぼうに「ミキよ!よろしく!…あまりダイちゃんに迷惑かけないでよね…」


そう言うとミキは僕の所に駆け寄ってきて…


「お兄さん…残念だったわね…私も小さな頃、よく遊んで貰ったから…」


「うん…心配かけてゴメン!でも仕方ないさ…死んだ人は生き返らないから…出来れば忘れないでやって欲しい…」


「当たり前でしょ!忘れる訳無いじゃない!辛い事があったらあんな娘に構ってないで私を頼りなさいよね!」


そういうとミキはスケートリンクの方に向かって歩いて行った…



「そう言えば、ノブもミキもスケートサークルに入っていたよね…」


「う、うん…僕はそれ程は真剣にはやってないけど、ミキはすごいよ…星間代表戦トップスターバトルのナショナルメンバーに選ばれそうなんだ…」 


「そうか…アイツ…小さな頃からスケート好きだったもんなぁ…一度見学に行ってみようかな…?


そうだ!!リカ…スケートをやってみないか?」


「スケート…?滑るスポーツですよね…楽しいかな?」


「オッケー!じゃあコーチに話しておくよ…一度覗きにおいでよね…」とノブはニコッと笑った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る