ミッドナイト「おばさん」

横山ペロ

第1話

今日はJRを一本乗り逃し青森にいる。

ご飯を求めて繁華街へ繰り出し事件はおきた。


コンビニで明日のワックスとスプレーを購入し居酒屋を探して道を歩いていると

知らないおばさん(推定50代)に、「飲みに行かない?」といきなり声をかけられた。


俺「え?」


おばさん

「スナックに飲みに行きたいんだけど一人じゃ入るの怖いし、、、」


ちなみにおばさんは、細身で小綺麗な格好をした上品そうなおばさんだ。


俺「僕、地元じゃないんで、この辺よくわからないんですよ」


おばさんは食いぎみで話してくる

おば「私も青森に初めて来たの、よくわからなくて、、、」


どうやら、まだ飲みたいけどどうしたらよいのか分からないみたいだ。


おばさんは、ちょっとこまったような、勇気を振り絞って声をかけたのか、視線は泳ぎ心なしか頬を赤くさせ、僕に女性を見せるそぶりを演出してるかのように思えた。


話を聞くとおばさんは、五所川原市から青森市に来たらしく、到着したのは夜の20時頃で、繁華街をずっとブラブラしてたとの事だったが、ご飯はすでに済ませたと言っており、話に矛盾がみられたが、あまり詮索するのは良くないと思い、僕は話に深く追求するのはやめた。


おば「スナックとかいきたいけど、、高かったら困るし、、一緒にいってくれない?」


おばさんは、ぐいぐいと攻めてくる、五所川原市から遠征してきたことで、心が舞い上がっているのか、何か訳があるのか、まだこのネオンにつつまれていたいという、その言葉たちの芯になる本音がみえ隠れした。


俺「多分、向こうが繁華街のメインですよ、スナックぽい看板が沢山みえますよ」


僕は、おばさんが考えているであろう思いの核心を何となく想像し、もし僕が思ってる通りの展開を望んでるのであれば、とても受け入れることは出来ないと分かっていたため、言葉を選び丁重に対応していた。


おば「明日、仕事なの?」


俺「はい、、朝早いんですよ」


おば「そうなんだ、少しだけ歌とか歌えるお店にいかない?」


どうやら、おばさんも引き下がるつもりはない、おばさんの真意はなんなのか、僕は、どう柔らかく断るかということばかりを考えていた。


おば「どこか、一緒に行きましょうよ」


自分の母とも、そう年は離れてないだろう女性が、ひたすらエスコートを訴える姿に僕は、「家庭で何かあった」「さみしい」「なにか想像がつかぬ」思いをもって繁華街へでてきたのかと思えてきた。


俺「そうですね、一件くらいなら一緒に行きましょうか?」


幸い明日の電車は10時の出発で時間にも余裕があるし、もしかしたら家に帰りたくない理由もあるのだろう。


僕は、付き合う事にした。


おば「はい、いきましょう」


繁華街へ続く少し薄暗い路地をネオンの方へ二人で歩いて行った


俺「僕は、政信といいます。。お名前をお聞きしても良いですか?」


これから一緒に飲みにいくのだ、自分の名前くらいは教えておこうと、軽く自己紹介をして札幌からさっき青森に来たこともつげた。


さぁ、次はおばさんの番である、僕は、おばさんの自己紹介をまっていた。


通常であれば、大抵はここで名前もわかるだろう、僕は、当然のようにそれを待っていたが、、


おば「札幌からって事は今日はホテルに泊まってるの?」


俺「はい、そこのワシントンホテルです。」


おばさんは、その言葉を聞いて一拍、いや数秒か、考えた後こう切り出し僕は、予想すらしてなかった言葉に返答に遅れてしまったのだった


おば「あの、、コンビニで、おでんとかビールとかお酒買って、あなたの部屋が入れるなら部屋で飲んでもいいよ、、」


俺「えっ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る