最終日(前編) 告白③

 そう言えたなら・・・・・・。


「あ、あのさ・・・・・・!」


 そう口にした瞬間光景がフラッシュバックする。


 夢に見た、那智の怯えた顔。私には、そんな顔しかさせられない。


 幾度となく考えた、私が気持ちを告げた時の予想。もし、今拒絶されてしまったら・・・・・・!


「ん?どうかした?」


 那智が心配して私の顔を覗き込む。傷心中の友達に気を遣わせるなんて、私はなんてダメな人間なんだろう、相談役として役に立てないどころか気を使わせるなんて最低だ、スカートを握りしめて精一杯普通を装って言った。


「・・・・・・友達にクラス来てって誘われたから行ってくるね」


「そっか、いってらっしゃい。楽しんできてね」


「ありがとう」


 そう言い残して、私はその場から逃げ出した。やっぱり、言えない。私はまだ那智に嫌われたくない。

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