美しい花、苗床となった贄、花を見る者、贄を知る者。

まさにタイトル通り、花と贄の物語でした。

植物がなく、荒涼としながらも美しく、そして生々しく描かれる世界。

そんな世界の物語の中、「花」と「贄」は重要なキーワードとなります。
それだけでなく、登場人物の立場や経緯、そして世界観すらも、タイトルのたった三文字に集約されているのです。

読了ののち、「花の贄」という言葉の持つ意味を夢想せずにはいられませんでした。

やはり小説のタイトルとは、何よりも物語であらねばならないのだと思います。

(最初に見た時、湿っぽい微妙なタイトルだなぁ、と思ったのはまた別の話…。)

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