スカルアトラス 楽園を継ぐ者 アフタートーク

羽場 楽人

キャラクター編

クレイ・ネイザル 時代遅れの最先端

本編の主人公。考古学者の青年。化石バカ。実は王族の血筋。腕利きのゴーレム乗り。


化石バカ、現代風に言えば化石オタク。


この単語が浮かんだことで一気にキャラクターの方向性が決まりました。

デビュー前から、基本的に年齢の割に達観した少年や影のある青年など比較的ダウナーでウェットな主人公が好きだったので、実は一番冒険したキャラクターがクレイでした。

明るくアッパーな主人公って書いていても楽しいですね。

しかし、あんな興奮して暴走するやつになるとは予想外でした(笑)。

本人的に化石を観察しているだけなのに、他人の目には女子にエロイ行為をしているようにしか見えない。

好きなジャンルについてはよく喋るし、現物を目の前にすると歯止めがきかなくなるのがギャグやサービスシーンに結びつけやすいので大変重宝しています。


角が特に好き、という設定は私の子供時代の思い出に由来します。

自分が一生懸命組み立てたガンプラ、その額のアンテナが紛失したことがありました。主役機だから余計に精神的ダメージは大きかった。その時は子供心に、角のないガンダムというのはなんて格好悪いのだろうと物凄く凹んだのを覚えています。


カッコイイ=角、という方程式が自分の中に爆誕しました。


今でこそ量産機の魅力も分かりますが、やっぱり角(というか尖ったもの)が象徴するカッコよさというのは普遍的な力強さがあると思っています。(ゴジラなら背びれ、ウルトラマンなら顔の上に立つ突起など)

そういう子供じみた感性を付与することで、クレイの純粋性が上手く出たと思っています。


外見については考古学者として真っ先に浮かんだのがインディ・ジョーンズ。

もっと言うと三作目の『最後の聖戦』で少年期のインディを演じたリヴァー・フェニックスのようなイケメンをイメージしていました。

アクションのできるインテリなヒーローってカッコイイですよね。

ラノベによくある冴えない外見なのにイラストだとイケメンじゃん、っていう本文とイラストの差異に違和感を覚えるタイプなので、設定として外見は整った青年にしました。


実際彼は王族の血筋ですし、本人が気づいていないだけで意外と状況はハーレムです(笑)


少年誌的なボサボサの髪、ゴーグルや手袋など発掘作業で必要な要素を足しつつ、RPG的なアイテムとしてロングナイフやサラマンダー革のロングコート、舞台が熱い荒野なので日よけのターバンを巻かせる。

ロングコート好きなのは、トライガンやヘルシングの影響です。

風にたなびくコートの長い裾は死ぬほどかっこいい。


作品のテーマを体現するクレイは、他者に求められる役割に収まるのではなく自分が選んだ生き方を貫き通します。


〈宣伝〉

『スカルアトラス 楽園を継ぐ者〈2〉』2019年8月10日、電撃文庫より発売。

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