第2話 コンビニエンスストア

      



      ♪🎶♪🎶




 コンビニ独特の入店音に少しの懐かしさを感じながら店に入った。

 思えば監視が厳しくなったあたりから外出はほとんど許されていなかった。もちろんコンビニへの買い物も。つまり約2年ぶりにコンビニにきたということになる。まぁ、特にこれといって何か可笑しな内装であるとか、そういうわけではない一般的なものだったから特に目新しいというわけでもないけど。


 「あのーすみません。前、進んでもらってもいいですか?」


 ぼうっと店内を見渡していると後ろから声をかけられた。振り返ると大きな段ボールの箱をかかえた店員さんらしき人が立っていた。


 「す、すみませんっ!」


 咄嗟に通路端に寄った私に、店員さんは「大丈夫ですよ。」と優しく言ってくれたけど、きっと入店してすぐに入り口で突っ立っていた私は荷物を持っていた店員さんからしたらとても迷惑だったと思う。

あの家から出れたことで少し気が緩んでいるみたいだ。こんなんじゃだめだ…。これからは引き締めていこう。うん。


      「ぐぅぅぅ~」


……。

とりあえず何か買って食べようかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る