第17話



コンコンッ。


「リリー、いるか?」


「はーい!!

2人とも!待ってたのよ!」


「まだ前回来てからそんなにたってないじゃないか。」


「せっかくできた新しいお友達だもの!会いたかったわ。

さ、入って。」


「リリーちゃん。

これ、約束の向こうのお土産!」


「本当に買ってきてくれたの!?

開けてもいい??」


そう言い綺麗に包まれたラッピングを解く。


「わぁぁ、かわいい!!

いいの!?

こんなに可愛いお菓子は初めて見たわ!」


リリーちゃんが目をキラキラさせて喜んでいる。かわいい。


「こっちにはこんなに可愛いお菓子はなかなか売ってないわ!

たぶん、王族や貴族が食べるようなものくらいじゃないかしら。」


王族!?

こっちには王様とか貴族がいるのかぁ。


「本当に私がもらっていいの??」


「リリーちゃんのために弓波さんと2人で選んで買ってきたんだよ。

もらって!」


「ありがとう!嬉しい!

お茶しながら一緒に食べましょう。

で、みどりちゃん。まだアオイのこと弓波さんなんて呼んでるの??」


「え?」


「こっちじゃ弓波なんて名前珍しいし名前で呼んだ方がいいわよ。」


たしかに、こっちでは弓波さんじゃ通じないからなぁ。


「あ、あおい、、、さん?」


「ふむ。その方が都合がいいだろう。」


「わかりました。これからはそう呼ばせていただきます。」




リリーちゃんとまた会う約束をして家をでる。

早く宿を取らなくては泊まるところがなくなってしまう。

とりあえず前に泊まった宿にむかった。



「こんにちはー!」


「いらっしゃい!

また来てくれたのかい。」


「2人で1泊。空いているか??」


「はいよ!前回と同じ食事付きでいいかい?」


「あぁ、頼む。」


先週と変わらず宿のご飯は最高だった。


「今日はもう休もう。

明日の朝また食堂で。」


「 はい、おやすみなさい。」


やっぱり1日動くと疲れもたまるみたい。

布団に入ってすぐ瞼が重くなった。






「今日はいろいろと食料を買いたいのですがいいですか??」


「あぁ、もともとそのつもりだ。」


今回エスティエーリルに来たのは食料をたくさん買うためだ。

アイテムボックスがあれば時間経過が緩やかになったり止まったりするらしい。

これを使えば毎日美味しいご飯が食べられるのだ。



宿を出てあおいさんと歩きながら美味しそうなお店を探す。


「これはなんですか??」


「レッドボアの串焼きだよ!うちのはとびっきり美味しいよ!」


これなら向こうで食べても違和感ないかな。


会社の昼食で食べることを考えて見た目も気にしなくてはいけない。


「このくらいなら5日間持つかな。」


まだアイテムボックスに入れるとどのくらい時間経過がゆるやかになるのかわからない。

とりあえず次の休みまでの5日分の食料を買い込んだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る