意味怖聞かせて尾崎君!part3

「意味怖聞かせて尾崎君!」


「またか。」


「罰ゲームも昨日と同じね☆」


「今回は少し難しいぞ!」


「かかってこい」





僕、石田康宏(いしだ やすひろ)は学校では目立つ陽キャグループでも、地味な陰キャグループでもない、どちかと言えば陰キャ寄りの普通の学生だった。


しかし、ある日友達の石谷凛太(いしたに りんた)が陽キャグループの

相田(あいだ)

稲山(いなやま)

赤島(あかしま)

生本(いきもと)

にいじめられていたのだ。


石谷はいじめグループに殴られたり、物を隠されたりする度に「くちゃーに」と言う謎の言葉を連呼していた。


そんな場面に何度も立ち会い、友達だから助けないと!という気持ちはあったが、ここで口を出せば僕がいじめられてしまう。

だから僕はいじめグループがいない時に石谷を慰めていた。


いつも通り石谷を慰めていたある日、僕はあの言葉について聞いてみることにした。


「なあ石谷」


「ん?どうしたの石田君」


「お前がいじめられる度に言ってるくちゃーにってなんなんだ?」


「あーあれね、あれはおまじない的なやつかな?あ、それよりさあ...」


と話したくないのかすぐに別の話題に飛ばされてしまった。

(まあいいか気にしなくて)


10年後の同窓会で僕は衝撃的なことを聞いたのだ。


「みんな、聞いてくれるかな?こうゆう時にこんな話したくないんだけど、相田くん、稲山君、赤島君、生本君が全員自殺したらしいの」


その場が凍りつく


「本当なのかよ!委員長!」


彼らと1番仲の良かった和田がそう聞いた


その話を聞いた時に僕はあのことを思い出し、石谷に聞いた。


「石谷、奴ら自殺したって、お前なんか知らないのかよ」


そう聞くと石谷は冷たい声で一言


「くちゃーに、だよ」


と言い残し石谷はその場を去ったのだった。





「以上だよ」

「今回は難しいかな?」


「うーん正直難かしいな」

「くちゃーにって言葉が鍵になると思うんだけどなー」

「うーんもう降参!わかんないよー」


「じゃあ答えいくぞ!」

「まあ杉の言う通りこの話は『くちゃーに』という言葉が重要だ」


「それは、分かってるんだけどそれがどう...」


「今は解説中だからお静かに願おうか杉桃子さん(怒)」


「は、はひぃ」

(なんでフルネーム!?てか尾崎くんが怒るなんて、びっくりしたー解説中は話しかけないようにしよーっと)


「その『くちゃーに』は正確にはくちあにと言ってたんだよ」

「漢字にすると口兄こうだね」


「あ、そう言うことか!」


ギロッ


「す、すいません」


「口兄を合体させると呪となる。つまりくちゃーに=のろい、彼はずっと呪と連呼していたんだね」


「あーそう言うことか、今回は難しかったなー」


「次はもっと簡単なやつにしてやろうか?」


「い、いやこのままで大丈夫ですよーだ」

「じゃあ帰りにコンビニ寄ろ?尾崎くん」


「あぁいいぞ」


(今回は負けちゃったなー悔しい!次は絶対に正解してみせるぞ〜)

(て言うか尾崎くんが怒るなんてびっくりしたなー)




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