第55話反省

俺と妹、夏樹ちゃんは今リビングの床に正座をしていた。


「で?……あれはなんだったの?」


母さんは綾乃と夏樹ちゃんの方を向いて聞いた。


「あれは……その………」


「……はぁー、まぁいいよそんなことよりも」


?母さん今そんなことよりもって言わなかった?息子の貞操が娘といとこに奪われかけた現場を見ていてそんなことーー?


「今日から私もここに住むからよろしく〜」


「「「へ?」」」


俺たち3人は久々に声が合った。


「母さん?仕事は?」


「あーーそれね辞めてきた」


「「「………は!?」」」


本日2回目の一致


「辞めてきたって……どういうこと?お母さん」


綾乃はとても心配そうに聞いた。


「あーーごめんごめん今の言い方じゃ誤解が生まれるねお母さんは転職したよってことね」


「なんだー良かった…」


綾乃と夏樹ちゃんは共に安堵した。そりゃそうだよなあんな言い方されたら誰だって驚くわ。


「じゃーとりあえずお腹空いたしご飯食べよっかお母さん久々に腕によりをかけて作ってあげる」


そう言いながら母さんは台所に行ってしまった。


「………綾乃、夏樹ちゃん……とりあえず行こっか」


コクッ


俺たちは複雑な気持ちのままイスに座った。


「「「………………………気まずい」」」


言葉には出てはいないが俺たち3人は同じことを考えていたのは見るまでもない。


その静寂の中先に動いたのは綾乃だった。


「お兄ちゃん………さっきはごめんね……」


それに連なって


「樹……ごめんなさい」


………どうしよーーーここは兄として2人を怒った方がいいのか?それとも優しくした方がいいのか?んーーーーー 考えた結果………


「とりあえず頭をあげよっか……いいよ気にしてないから」


優しくする方を選んでしまった。前も同じ結果だったよな…………あれ?これって叱った方がよくね?


「綾乃、夏樹ちゃん……俺に対する気持ちはすごく伝わったよ……でもなその気持ちには答えられない」


「そうだよね…迷惑だよね」


「そんな顔するなよ別に綾乃と夏樹ちゃんが嫌いだなんて言ってないからな」


「でも迷惑だって思ってるでしょ?」


「そんなことないぞ!俺が2人に対して迷惑だなんて言ったことあるか?」


「無いけど……」


「だろ?それに俺バカだからさ次の日になったら忘れちゃうからさ」


その一言を言った時目の前にいた綾乃と夏樹ちゃんは泣いていた。


「ひぐっ……ぐすん……ごめん……ごめんなさい……」


「おっと!」


泣いた2人が俺に飛び込んできた。俺は何も言わずにただ2人を撫でた。


ガチャ!


「出来たよーー!今日の昼御飯パスタにしてみたんだけど…………ガチャ!


能天気に部屋に入ってきた母さんはその場の雰囲気を察して足早に出て行ってしまった。


「……ハハッ……ハハハハハハ」


「「……フフッ……ハハハ」」

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