φの中の永遠

世の中には奇妙な計算式というのがあって、ルート(√)という平方根の中に√を囲い込んでしまう、ということができる。

「1+√1」の平方根は「√(1+√1)」ってわけ。

√1+√1って横並びの話じゃないよ。

√の軒下に√がおさまってるの。

これを延々と繰り返すこともできる。

√の軒下におさまった1+√1のさらにその軒下に、+√1をおさめる、ってわけ。

言葉で説明すれば、1+√1という平方根の平方根、の平方根を求めよ、となる。

これを永遠に繰り返す。

この解が、なんと1.618・・・という、どこかで聞いたことがある数字になるのだ。

この計算は、実は中学生にもできるものなので、やってみてもいい。

x=全体式とし、両辺を二乗したのち、右辺をxに還元するだけで、「x2=x+1」が導き出せるのだ。

これは、前回に計算してもらったφ(ファイ)の計算式ではないの。

お、キョトンとしてる・・・?

もういっこ、いい?

1+1/1、という分数の分母に、これまた小さな分数を組み込むことができる。

読み上げれば、1足す1分の1足す1分の1・・・となる。

分母の下へ下へと、さらなる分母を組み込んで、積み木細工にしていくわけ。

その連分数を、無限に積み上げてみる。

つまり、1足す1分の1足す1分の1足す1分の1足す1分の1足す1分の1+・・・だ。

この数式も、中学生の数学力で解ける。

x=全体式とすると、右辺の分母はxそのものなので、x=1+1/ xとなる。

両辺にxを掛ければ、「x2=x+1」だ。

x=1.618・・・

またφが現れた。

きみはいったい何者なんだい〜?

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