第15話《初デートの終わり》

動物公園にいる全ての動物を見終わり、時間を見てみると、十五時を回っていた。

さて、これからどうするか……もうやることがないな……


「柳さん!お土産買いませんか?今日の記念に!」


「お土産か……いいな。買って帰ろうか」


近くのお土産屋に入り、店内を物色する。

売り物は、動物の人形やキーホールダーなど、動物に関係したいろいろな物がある。

うーん……何を買おうか……いろいろな物がありすぎて、迷ってしまうな……特に買いたい物もないし……

渡部さんはいろいろなレッサーパンダのグッズを漁っている。


「あ!柳さん!これとかどうですか?」


「ん?」


渡部さんが持ってきたのはレッサーパンダのキーホールダーだった。


「お揃いで買いませんか?記念に!」


「お、お揃いか……」


「いや……ですか……?」


「い、嫌じゃない!全然嫌じゃない!」


そ、その顔は反則だろ!

可愛すぎるんだよ!


「良かった〜。じゃあ、買いに行きましょうか。お金は私が出しますから」


「いやいや!流石に自分の分は自分で出すよ!」


「そうですか?じゃあ、先に買いに行きますね」


「うん」


お揃いのものを買うというのは少し、というかかなり恥ずかしい。

でも、あんな顔で迫られたら断れない。

断れる訳がない。


「あの……これください……」


「はい。こちらの商品でお間違いないでしょうか?」


「は、はい……大丈夫です……」


「こちら一点で六百八十円になります」


「あ、七百円でお願いします」


「はい。二十円のお返しになります。ありがとうございました」


お土産屋を出ると、渡部さんが外で待ってくれていた。


「ごめん。待たせたかな」


「いえ、全然待っていません。それで、買えましたか?」


「ああ。買えたよ」


「そうですか!良かったです!可愛かったので、柳さんにも買ってほしかったんです。お揃いですね!」


うっ!可愛い……笑顔が眩しすぎる……


「そ、そうか……お、俺も嬉しいよ……」


「はい!それで、これからどうしますか?」


「そ、そうだな……もう夕方だしそろそろ解散にするか?」


「そうですね。私はそれで構いませんよ」


「じゃ、じゃあ解散にしようか」


「はい!今日は楽しかったです!また行きましょうね!」


「あ、ああ……また行こうか。じゃあ、また」


「はい!また!」


これで、俺の初めてのデートが終わった。

最後にこれだけ言わせてほしい。

渡部さんの笑顔……可愛すぎだろ!!

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