第7話 いざ出発! 新幹線どうだった?

 無事に準備を終えて、旅行1日目を迎えた熊一家。ベビーカーにこぐまちゃんを乗せて、いざ出発です。


 さすがに3連休の1日目、通勤ラッシュほどではないけれど、結構混み合っている普通列車に揺られ、東京駅まで約1時間、今まで30分程度しか公共交通には乗ったことがなかったので心配だったけれど、こぐまちゃんは大きくぐずることもなく無事に東京駅に着いて、まずはホッと一息。

 新幹線の時間を確認すると1時間弱の余裕があったので、車内で食べる駅弁とイベント会場で配る東京土産のお菓子を購入しました(※1)。

 お昼頃に発車する新幹線に乗るので、もっと時間に余裕があれば東京駅のどこかでこぐまちゃんにもお昼の離乳食を食べさせたかったのだけど、早く着いたとは言え1時間弱ではまだ時間が足りなかったかな? 大人のようにぱぱっと食べられる訳でもないので(※2)それは諦めて。お昼はみんなで新幹線の中で食べることに。

 新幹線のりばの改札内を探すと赤ちゃん休憩室があったので(※3)、念のためこぐまちゃんのオムツを新しいものに交換して、これで新幹線に乗る準備は万端です。


 少し早めにホームに出て、のりばを確認。指定した座席は車両の一番後ろで、同じ車両番号でも前と後ろの扉を間違えれば車内をベビーカーで歩くことになってしまうので、何度も確認しました。

 ホームに入ってきた新幹線を見ながら「新幹線見るのはじめてだねー」なんて声を掛けつつ、のんびり車内清掃を待つ間も、外から「座席はそこね!」と指差しチェック。なんというか、大人だけで出かけたらのほほんとしている場面場面でも、子連れ旅だとものすごく慎重派になってしまうのですよね。これも慣れだとは思うけれど……ああ早く慣れたい。


 新幹線に乗り込む熊一家。まずはキャリーバッグを棚の上に乗せ、熊が先に窓際に座り、おうちのひとがベビーカーからこぐまちゃんを下ろして熊の膝の上に。そのあとベビーカーを畳んで座席後ろのスペースに置こうとしたおうちのひとから一言。

「これ、畳まずに入るんじゃない?」

 見てみると、後ろの荷置きスペースはネット検索で見ていた新幹線の写真よりも幅広く、幅40cm弱のベビーカーがすっぽり入ってました。

「え〜! すっごくいいね!!」

 ベビーカーを畳むって、わりと簡単にできるような表現されていますし、熊もこぐまちゃんが産まれる前まではその行為を簡単に考えていました。だって、ベビーカーのカタログとかCM動画とか、みんなママさん一人でニコニコしながら軽やかにやっているのですもの。

 ……で・も・ね!! 違ったのです、実態は。


ここで、熊がベビーカーを畳む手順を見てみましょう。

 ① ベビーカーに乗せている荷物を下ろす(※4)

 ② 抱っこ紐の腰バックルだけをつけて装着準備をする

 ③ ベビーカーに乗っている子供を下ろす

 ④ 子供を装着準備していた抱っこ紐に移して、抱っこ紐装着

 ⑤ 子供を抱っこしているために腕を動かしにくい、視界も悪い状態でなんとかベビーカーを畳む

 ⑥ 子供を抱っこしている状態で、子供がずり落ちないように気をつけながら、ベビーカーが倒れないように支えながら、下ろしていた荷物をベビーカーと一緒に持つ


 一人でお出かけしている時の手順は概ねこんな感じです。これが、かなりの重労働(※5)。

 今回は、畳むつもりでベビーカーには荷物を乗せていませんでしたし、こぐまちゃんは抱っこ紐なしで膝の上に乗せますし、更に二人で協力できるので、上記のような大変さは全くないのだけど、それでも畳まずに済むのは嬉しい誤算でした。

 ちなみに、帰りの新幹線の荷置きスペースは先のリサーチ通り、畳まないと入らないくらいの幅だったので、スペースの広さは新幹線によって違うのかな? それとも、上り下りで違うのかしらん? 教えて新幹線に詳しいひと……!

 荷置きスペースの広かった行きの新幹線は「やまびこ」、帰りの新幹線は「つばさ」だったかな。運賃に差はなかったので、次回は、その辺調べてから新幹線の予約を取ってもいいかもしれません。


 そんなこんなで無事指定席に着席した熊一家。

 まずはこぐまちゃんに、用意してきたベビーフードを食べさせます。

 まだ自力では食べられないので、熊の膝の上に座らせ抱っこして、おうちのひとがスプーンでこぐまちゃんの口に運ぶ……という感じ。新幹線はさほど揺れないですし、こぐまちゃんもごはん大好きっ子なので、場所は違っても嫌がることなくスムーズに食べ終わりました(※2')。

 そのあとは、片方がこぐまちゃんを抱っこしているあいだに駅弁を交代で食べて、それでもまだ乗車時間は余っていたので、親子3人のんびり新幹線旅を楽しみました。

 この頃のこぐまちゃんは抱っこが大好きで、抱っこさえされていればご機嫌だったので(※6)、行きも帰りもぐずることはなかったです。帰りは特に、乗車前にお昼ごはんを食べさせて、ちょうど眠くなるタイミングで新幹線に乗れたので、スヤスヤお昼寝していてくれました。

 長旅に耐えられるかなと心配だったけれど、はじめての新幹線は、とっても平和なひとときでした。よかったー。



***

 初子連れ新幹線を乗り越えた熊一家。次章からは旅先のお話です。 次回第8話「郡山到着!」をお待ちください。



***

※1:駅弁と東京土産

新幹線に乗るときは、駅弁を食べることにしています♪ 東京駅には全国の駅弁がずらっと売られているので、選ぶのが楽しいです。熊は、番匠さん(福井県)の「越前かにめし」、おうちのひとは、荻野屋さん(群馬県)の「峠の釜めし」にしました。イベントで配るお菓子は「東京ばな奈パンダ」にしたよ。東京から来たって分かりやすいかなって。


※2,※2':離乳食を食べさせる

11カ月の子は、まだごはんを食べる練習中なので、スプーンでお口に運んであげたりと全面的にお食事の介助が必要です。気分次第で(何か理由はあると思うけれど、それを上手く伝える力もなく、親の汲み取る力もなく……)、すんなり食べてくれるときもあれば、イヤイヤとお口を開けてくれなかったりして時間がかかることもあり、食事にかかる時間がまだ読めなかったです。ただ、こぐまちゃんは食べることが大好きで、イヤイヤもたまにしかないので、そこの時間配分は楽観的に考えられました。


※3:東京駅・新幹線改札内の赤ちゃん休憩室

授乳室・調乳用の水道・オムツ替え台などが揃っていて、さほど混んでなく快適に利用できました。壁には花火の絵が描かれていたり、ウサギさんがいたり、手作り感満載に可愛くデコられてて、明るくいい雰囲気でした。


※4:ベビーカーを畳むときの荷物

ベビーカーには下に荷物入れが付いているものが多いです。ここに荷物を入れていると畳めないので、畳む予定があるときには入れないようにしていますが、0歳児連れはとにかく荷物が多いので、普段は色々入れています。ちなみに、ベビーカーを畳んでも荷物はそのままにできるよう外側に専用の荷物入れを装着する工夫をする人もいたり、畳んでも荷物入れが畳まれない仕様のベビーカーもあるみたいです。


※5:0歳児連れでベビーカーを畳む作業

ワンタッチで簡単に畳めるベビーカーもあるので、一概には言えないけれど、熊の場合はこんな感じです。広い場所でゆっくり対応できるならいいのだけど、例えば「電車に乗ったら結構混み合っていたので、臨機応変に対応してベビーカーを畳む」とか、申し訳ないけれど熊には無理です……。混み合った揺れる車内であの手順を踏むのは厳しい。さらに、こぐまちゃんがベビーカーに乗っていたい気分だったり、ウトウト眠っているときには、抱っこ紐を嫌がってぐずったりする可能性もありますし、できたらそっとしておきたいですね……。


※6:抱っこ大好き期間

この旅行の頃(11ヵ月児)は、自分で動き回ることがまだできなかったこともあって、抱っこさえしていれば満足してくれていて平和でした……。1歳3ヵ月の現在はというと、はいはい&つかまり立ちでかなり移動できるようになって、自由に動きたい気持ちが出てきたのか、抱っこを嫌がることもしばしば。成長が嬉しい反面、さみしい気持ち……。どんどん成長していくので、次に新幹線乗るときにはどんな対応をすることになるか、また考えないといけないかもですっ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る