第15話 リサ

ドン!ドン!

戦場に鳴り響く大きな音

「皆!ルーク様の為にもここで勝つよ!」




オオー!!

数万の魔道士が悪魔と交戦を繰り広げている!


「槍地獄!!」

ミハイロは自分の槍を地面に刺した!

地面からは無数の槍が突き出し悪魔達を襲う!

ウギャァァア!


だが奥から次々と悪魔が現れる。


「チッ!数が多すぎる…!ゲルグめ…どこへ行った…!」


大量の悪魔の軍勢の中に1人の男を中心に大きな穴が空いている。

「チームプレーとか苦手なんでぇ…俺は俺なりにやらせて頂きやすよ」


そう言うとゲルグは悪魔達の地面に大きな魔方陣を描いた。

空に居るミネルバ達からもその魔方陣は大きく目に映った。

「ゲルグの魔法は強すぎる…チームプレーが苦手何じゃない…」


ゲルグは手を振りかざした!

大重力ラージグラビティ


「手加減が出来ないだけだ。」


ドドドドド!悪魔達はその巨大な重力に押し潰されて行く!

その重力は地面に巨大な穴を開けた!


「ミネルバ様ぁ~見てるんですよねぇ~これでいいですかい~」


「あぁ、お前は単体行動で正解だ。このまま悪魔どもを始末しろ。」


「了解でさぁ~」


「さぁ!我々竜騎士も行くぞ!敵の本陣を目指して!」

オオー!!


ーウェルネビット 本陣ー

「くそが!相手1人に何手こずってんだ!俺様が行ってやる!」


「アザゼル様、、!お止めください!あなた様が死んだらこの軍は…」


「ミカエル…俺が雑魚1人に負けるとも?」

アザゼルはミカエルの髪を掴んだ。


「うう…!決してその…用な事は…!」


「チッ!もういい!行ってくる!」

アザゼルはミカエルの髪を離しその場を立ち去った。

「アザゼル様…あなたは敵が誰なのか分かってない…今回の敵は…」


アザゼル様が来たぞ…!

アザゼルは自ら先頭に立ち敵を見定めようとした…が、


「ッ!?ルーク…だと…!」


「おう!アザゼルか!久しぶりだな!」

ルークは満面の笑みで言った。


「ルーク…お前がこの大軍勢を1人で相手してたのか…!」


「アザゼル、ここは帰った方がいいんじゃね?俺には勝てないぜ?」


「うるせぇ!黙れ!ぶっ殺してやる!」

アザゼルはルークに襲いかかった!

「ハァァァァァア!!」


「はぁ…俺には勝てねぇって…」


「死ねぇぇえ!」

アザゼルはルークの喉を目掛けて殴りかかった!だが…

な…避けられた…!俺の攻撃が…!

振りかぶったアザゼルに今度はルークが後頭部を掴み地面に叩きつけた!

「天文…九十六式魔方陣…」


――ッッ!九十番台だとッッ


押さえ付けた後頭部に魔方陣が描かれた!

地震アースクエイク


ドン!

大きな音と共に地面が大きく揺れ、ルークを中心に大きな地割れが起きた!


「はぁ…だから俺には勝てねぇって言ったのに…」

ルークは本陣に向けて歩きだした。


――協会 最上階――

「どうだ!この力は!ワシの名はスルト…!この世界の覇者になるものだ!」

スルトは手を広げ椅子から立ち魔力を奮い立てた!


「腐ってますね会長…!それがあなたの求めていた事なんですか!?」

キャンディは必死に語りかける。


「無駄だよ、お姉ちゃん…」


「でも…!」


「何をごちゃごちゃほざいている!さぁ、来い!」

スルトは待ち構えている。

「そうか…まだリサを無くした事を気に…」


レンは歯を噛みしめ、手に拳を作りもの凄いスピードでスルトに向かっていった!


「ッ!…レン!」


ドン!


レンの拳はスルトの片手に受け止められている。

「弱いな…そんなんでは大事なリサを守れんぞ?ハハハハ!」

スルトはレンを押し戻した!

「クッ!」

ズズズズ…

キャンディの後ろまで吹き飛ばされた。


「レン…!大丈夫ですか!」


レンはキャンディの言葉を無視してまた歩きだした。

手に力を込めながら…


「お前のせいで…」


お兄ちゃん…お兄ちゃん…!


「リサはッ!!」


置いて行かないで…!お兄ちゃん…!


「クソォォォォ!!!」


「ッ!」

その瞬間、俺は暖かい何かに包まれた。


「レン…あなたのそんな姿…私は見たく無いです…」


「お…お姉ちゃん…」


「あなたはいつも笑い…優しく…そして誰よりも強かった…」

「だからあんな奴に負けるハズが無い…そんな安い挑発に乗せられてはダメですよ…」


「う…!お姉ちゃん…!」


「勝ちましょう!私達のリサに!いつもみたいに笑顔で!」


「あぁ…ありがとう…お姉ちゃん…」

俺は涙を堪えきれなかった…


そうだな…シロウも…カレンも…ルークやミネルバ他の皆だって頑張ってんだもんな…!


「レン…!行きましょう…!」


「あぁ!お姉ちゃん!」


リサ…!俺は今から笑顔を取り戻すからな!


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