第7話 救世主

「魔道士様…考えとは…?」


「町長、そこに転がってる俺の仲間がいるじゃないですか?」


「はい…どうされるのですか?…」


このばーさん察しが悪いな…

「コイツをこの町の人の代わりに生け贄にします。まだ起きてないですしコイツ知りながら生け贄なんて絶対行きませんよ。やかましいだけですから…明日じゃ、コイツが起きます。今日生け贄を捧げましょう」


「いいのですか?…そんな危険な事をされて…」


「大丈夫ですよ。俺がコイツが入る桶の運び役をしますので問題無いです。」


「おぉ…流石は魔道士様…今すぐに準備を致します…」


10分もすれば町の人たちはにこの協会の前に集まった。そして桶も準備された。

あの町長案外凄いんだな。


「ここにおられる魔道士様が…我らの変わりに生け贄になり悪魔を討伐してくださいます。どうか皆様、この魔道士様に神のご加護を」


町の人は祈り出した。中には涙を浮かべる者もいた。やっと助かるという安堵の涙だろう…俺は桶を引きづりながら町長についていった。。。魔道士様、こちらでございます…


じめじめしていて明かりは全く無い洞窟だ…ここの前に桶を置いて生け贄を捧げるという…すると奥から悪魔が生け贄を食いに来るらしい…


「魔道士様…どうかご武運をお祈りします。。。」


「ありがとうございます町長。後は俺達に任せてください。」


町長は町の方へ歩いて行った。

後は悪魔が来るまで待つだけか…少し隠れて様子を見ていよう…


「あれ?暗いな…何だここ?俺は確かレンさんに殴られて…あれ?もしかして俺死んだ?体が動かない…レンさんアンタと旅が出来て俺は良かったよ…大きな足音がする…どうやらお迎えのようだ…あぁ、光が見える…」


来た…あれが悪魔か…とてつもなくデカいな

その悪魔はカエルのような容姿をしている。一言で言えば巨大なカエルの化け物だ。

「旨そうな人間だな…ケッケッケッ」


「あれ?何この大きなカエル…え?これ悪魔じゃね?あ、悪魔だこれ、、、

いやぁぁぁぁあ!あ、悪魔ぁぁあ!ち、ちょ!俺を食っても上手くないぞ!あ、駄目だって美味しく無いって!」


「良く喋る人間だな…ケッケッケッとても旨そうだな…」

カエルの悪魔は手を巧みに使ってシロウを持ち上げた。


「ち、ちょっと待って!ほらあめ玉あげるから!いらない!?じゃあ俺を食べよってなるか!?悪魔だしなるか~!そうだもんな人が主食だもんな!だから駄目だって!ああああ!レンさぁぁぁぁん!助けてぇぇぇぇえ!」


「瞬 雷!」

レンは雷に包まれ見たことも無いスピードで巨大なカエルの手を切り落とした!


シロウは泣きそうになりながら叫んだ

「ああああ、レ、レンさぁぁぁん!」


「シロウ!良く耐えた!後は俺に任せろ!」


悪魔はうろたえたが直ぐに手を再生した。

「何だこの人間!?…ケッケッケッ、久しぶりに楽しめそうだな…来い人間!八つ裂きにしてくれるわ!!」


カエルのベロがレンを襲う!しかし瞬雷をまとったレンには全く追い付けない!

「そんなスピードか!クソカエル!」


「この人間めぇ!!」

カエルはベロを4倍の数にし再びレンを襲う!しかしレンには追い付けない!

カエルは追うことに集中していた、、、懐にシロウがいるとも知らずに


「ッ!?シロウ!?いつの間に!?」

実は俺も知らなかった。


「見といて下さいよレンさん、これが俺の実力です!」


「この人間!いつの間に!?」


シロウは刀に手を置いた

「大門寺流奥義…」


『泉下金剛一閃の太刀せんかこんごういっせんのたち


シロウが刀を抜いた瞬間!一瞬カエルの腹が光った!気付けばシロウはカエルの後ろに移動していた!シロウが刀を納めるとカエルの腹から大量の血が吹き出し真っ二つに割れた!


えっ…マジか…シロウ…お前思ったより強いんだな…俺はやはりどこかで弱いと見くびっていたのかもしれない…


「レンさん!俺凄いでしょ!これが大門寺 白竜の一番弟子の力ですよ!」


「あ、あぁ…お前、思ったより強いんだな…」

シロウが刀を抜いた瞬間は俺でも見えた。だが悪魔の腹を切り逆側まで移動してるのは流石に見えなかった。


「あっ!それとレンさん謝ってもらえませんか!?俺死にかけたんですよ!?絶対あれ死んでましたよ!?ちょっと!無視しないで下さいよ!?俺が死んでもいい…」


「分かった分かった、ごめんな!」


「分かりましたよ…許しますよ…嘘でぇーす!許しませー、あ…ごめんなさい許します。」


「悪魔も討伐出来たことだしさっさと村に帰って報酬を貰うか!」


「そうですね!行きましょう!」


俺とシロウは町へと歩き出した。。。

その瞬間だった!

「くそぉぉぉお!人間めぇぇえ!死ねぇぇえ!」


なんとカエルは再生を始めシロウの後ろに物凄いスピードでベロを伸ばして来た!

「ッ、シロウ!!」


「何ですかレンさん、ッ!?」


バコーン!!大きな音が響き渡った!!辺りには煙がまんえんした。

「そんな…シロウが…嘘だ…そんなの…」

俺はまた…目の前で…あの時と同じだ…

「お兄ちゃん…助けて…お兄ちゃん…」

くそ、何でいつも俺から何かを取るんだ…やめてくれよもう…

レンは頭を抱え地面に擦り付けた…


煙が徐々に晴れていく…どこかで聞き覚えのある声が聞こえて来た。。。

「ちょっと!少しは用心しなさいよね!」


あの声はまさか……


煙が晴れた!あの身長、あの声!やっぱりそうだ!

「私がいなかったらコイツ死んでたわよ!感謝しなさい!」


「カ、カレン!」


悪魔は叫びだした!

「何だ次から次へと人間ふぜいがぁぁぁあ!」

悪魔はその脚を使い大きなジャンプをし、カレンに襲い掛かった!


「私はアンタ見たいな弱い悪魔とは話をしたくないの。焼き付きなさい。」


大円火柱インフェルノ!!』


カエルの下から巨大な魔方陣が浮かび上がりその魔方陣から円柱のような膨大な炎が吹き出しカエルの悪魔を消し炭にした!!


「くそぉぉぉお!人間ごときに負けるだとぉぉぉお!くそがぁぁあ…」


カレンは笑顔でこちらに向いてきた

「どう?私の魔法は?凄いでしょう!」


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