第6話 誰でも「変わり者」になれる

先程個性なしに普通のものの価値観は存在しえないという旨の話を述べたが、これと同じくらい「普通」を見出すのに必要不可欠な要素がある。それは、周りの環境にいる「人々」、変わり者と呼ばれる少数派の対となる存在、つまりは多数派だ。(当然だが研究の際、比較対象なしに物事の特色をとらえようとするのには少々無理がある。)

私がこれまでの学校生活を通じて自ら発見したことなのだが、極端な話、周りの多数派と異なる行為をしさえすれば、ちょっと目立ちたいときに目立つくらい誰にだって容易いことなのだ。

試してみたければ学校の全生徒が大人しく校長の話を聞いている集会のときなんかに、何も考えず大声で自分の名前でも叫んでみればよい。次の日から校内にあなたの名を知らない者は居ないだろう。たちまち校内の有名人に大変身だ。まあ大概の人はそういうことに対して教育相応に培われた羞恥心などによって制御が効くのだが、変わり者と呼ばれる人はそこに重きを置いていなかったり、それ以上にアイデンティティの危機を始めとした、他の執着しているものを重要視しているなどといった人が多い気がする。(さすがに今の具体例は度が過ぎているが。)

というか、少なからずどこか吹っ切れた一面がないと変わり者になるのはなかなか難しいものがあるだろう。変わり者と呼ばれる人類が少数派な理由の一つはこれである。

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