有能な上司の条件

 有能な管理職の条件とは何なんだろうか。


 日本の会社は、まだまだ年功序列のシステムを取っている所も少なくない。将来の見通しがいい安定したシステムだからだ。しかし営業で有能だからといってエレベーター式に序列が上がり、管理職になったからと言ってその仕事が出来るとは限らない。

   

 それは全く別物、故に無能管理職が量産される。その下で働く人達は不幸だ。管理職も専門にすべきだ。仕事を覚えない受け身で態度だけが一流の尊大な管理職…苦痛だ。


 又、ろくに仕事もしていないのに、高級外車を公用車にしてそれをマスコミにお披露目し炎上する愚者が首長だったりしたら、本当に苦痛だ。

 そんな社会に出て俺は働きたくもないし、税金も納めたくない。もっと大人達はしっかりして欲しい。一人の善良な若者の勤労意欲をそぐような報道が多すぎる社会だ。


 それに比べて彼女は無償で働くリーダーだ。何故なんだ…彼女は見た目が美しいのは勿論だが、心が美しいのだ。真の美人を目の当たりにしている。年齢詐称していませんかね?自分のお子さま利己的思考が恥ずかしい。


 身体測定は無事に終了した。彼女のおかげだ。彼女はてきぱきと男前どもの身長を計り記録をし、書類を整理して行った。情けない俺は体重を読み上げる程度の仕事しかしなかった。というか居なくていいレベル。男子達は突然の女子それも超絶美少女の来訪に動揺が隠せずに、どいつもこいつも赤面していた。彼女の物腰の低い優しい対応に震えていた奴までいた。

 看護師さんの優しい声掛けと一緒だからね。目と声は優しいけれど、マスクの中の口は歪んでいるから、勘違いしないでよね。そして彼らは俺に対する冷たい羨望の眼差しも忘れなかった。面倒事を振っといてなんなんだ。俺は悪くない。


 ん?そう言えば奴ら、休学してるとか何とかって言っていたけれど何の事だ?


 彼女は仕事の出来ないポンコツの俺にもとても優しかった。むさくるしい男前どもの前で、急に頼まれた仕事だというのに、嫌な顔一つしなかった。


 そして仕事が終わると彼女は俺の顔を見詰め、声を掛けてきた。


「お疲れ様でした。私、生徒会に所属しているのだけど、今秋の文化祭の準備で人手な足りないの、今日の事で見返りを求めるのはおかしいけれど、一緒に手伝って欲しいの。


「「ダメ」」かな?」

「     では、ないです」


 食い気味に話してシンクロ。


 断る理由が見つからなかった。


 この人の元に居たい。一緒に何かした。


 俺には悪癖がある、美人を相手にすると、動揺し、おどけた行動をしてしまう事だ。後から思い返し自分を殴りたくなる。


「ご…らんの通りの猫の手程度の仕事しかできませんけどね…………………………………にゃぁ~☆」


「くすっ ありがとう!」


「君、面白いね」


 彼女の笑顔は…今の俺の語彙力では表現しきれませんが、脳のシナプスな急激に活性化されたとだけ、申しておきます。


耳が腫れたように熱い…。


 結局俺も赤面ぶるぶる野郎達と同類でした。

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