玉石混交短編(ではない)集

白雪花房

物語

1000字以下

二つの選択肢

 チャーハンにするか、雑炊にするか。

 どちらも素はある。

 だが、めんどくさい。


 たかが3分というけれど、されど3分だ。

 火をかけるというだけで、めんどくさそうな気配がする。

 いや、慣れてはいるのだ。ときどき作るし。しかしながら、今はなんとなく、電子レンジで済ませたい気分である。こんなとき、ただ見ているだけで解凍が済む冷凍食品は偉大だ。


 雑炊は鶏ガラのスープ。白米を煮て、スープを入れて、最後に卵を投入する。スパイスが利いていて、美味しそう。

 チャーハンはガーリックライス。こしょうやにんにくの味が付いた、独特の味だ。何度も食べたことがあるため、その美味しさは分かっている。


 さて、どうするか。

 心情的には雑炊を選びたい。ただ、煮るのは面倒だ。どちらかというと、炒めるほうが簡単なイメージがある。


 なんにせよ、卵は必ずいる。事前に茶碗に割り入れておく。

 それから、おもむろに炊飯器の蓋を開けた。


「あ、はい」


 中に入っていたのはたっぷりとした炊き込みご飯。

 私は二つの選択肢を放棄して、茶碗に炊き込みご飯を盛るのだった。

 問題はこの割り入れた卵である。ぷかりと浮かぶ鮮やかな黄色の玉を横目に、どうしようと、一言。

 とりあえず目玉焼きでも作ろうか。そのように思うのだった。

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