Ep03 愛車遍歴と、ガレージハウスの話。~その3~

 久しぶりの更新になってしまい、すみません。


 もう一本の方で、基本毎日更新を目標にしてしまったため、また内容も色々と動きが忙しい展開になってきてしまったため時間が取れませんでした。



 ――さて、前回イカレタ『205MAXI 仕様』の契約書にハンコを押し、衝動買いをしたのだけど後悔の念に類するモノは全く無かった。

 何せ、カスタムパーツを揃えただけで860万円超の一生に一度出逢えるかどうかっていうスペシャル過ぎる『205』だったからである。


 契約から約十日後、記念すべき納車の儀が行われた。

 あ、普通にショップに取りに行っただけデスが何か?


 まぁ、今時のクルマなら担当者が同乗して

 「このボタン押すと、こんな便利な機能が使えます……」

 とか、花束贈呈みたいな嬉しくも無いセレモニーがあったりするのだろうが、今回はモチロンそんな物は無い。


 だって、前にも乗ってた勝手知ったる車種だったし、そもそも説明する必要のある便利機能なんて一つも付いて無いのだから。


ドアの内張りこそ在ったが、ソレも軽量化の為にカスタムされており唯一の便利機能と言っても過言ではないパワーウインドウのスイッチが付いているだけだった。床や後部トランクは内装や遮音材がすべて剥がされ鉄板むき出しである。


 メーターパネルはあるものの、ぶっといロールケージがダッシュボードを貫通しており、本来後部座席がある場所にはジャングルジムの様にロールケージのパイプが溶接されていた。気合いの入った、カリカリの競技用車輌さながらだ。


 ショップの社長にして、この『205』の製作者フランクさんからキーを受け取る。確かに、差し込む部分は普通のキーだったがグリップの部分が大きく違っていた。アルミ削り出しの工具のグリップに似た物が付けられたカスタム仕様だった。コレは、フランクさん自らが俺のために創ってくれたオリジナルだった!


 コレはハッキリ言って猛烈に嬉しかった!

 世界に1台在るか無いかの仕様の車に、完全オリジナルグリップ付きのキー。

 最高の組み合わせである。喜ぶなって方がムリな話だ。

 しかも、ただでさえコンディションのよかったFRP製のボディシェルには、新たにコーティングが施され、一点の曇りなくピカピカだった。


 流石、フランクさん仕事に手抜かりが無い!

 ホイールは、俺が初めてこの『205』をみた時に付いていたアルミではなくコノ『205』のために用意された白のOZレーシング用マグネシウム・ホイールに交換されていた。


 正に、ターマック(アスファルト道路の事です)用ラリーマシンだった。

 フランクさんの話では、峠に行けば相当速いという事だったが俺は走り屋じゃないし、この『205』の戦闘能力を100%引き出せる様なドラテクも持ち合わせていないので行かなかったけどね。



 さて……、である。

 無事に車を受け取り、世田谷通りを通って社宅への帰路を運転中に最初に思ったのは実のトコロ、

 「エライもん買ってしまった! 」

 という、実感だった。


 言っておくけど、コレは後悔じゃなくてね……。

 コイツを思いのままに操るのは、大変な事だぞって言う思いだった。

 いくら、後付けのハルテック社製CPUで公道用のセッティングにしてあるとはいえ……だ。(フランクさんの話では180馬力前後に抑えてあるという事だったのだが)


 車の話をしていてよく言う事の一つが『軽さは重要』ってヤツだ。

 この車は車重が800キロ程しかない。

 それで、180馬力である。

 たかだか、1.9リッターエンジンなのに速い……というか、軽い。


 ちょっとソノ気になって、スロットルを開ければロケットの様に加速する。

 それも、信号待ちで先頭になった時のロケットスタートと来たら、脳ミソが痺れそうになるぐらいの加速感である。

 とてつもなく楽しいマシンだ。


 そう、車って運転が楽しいのが一番だと俺は思うんだよね。

 コレについては、オーナーが車に何を求めるか……という点で意見が沢山出てくると思うんだけども、少なくとも俺は「楽しさ派」である。

 今でも、それは変わらない。


 その「楽しさ」にも色々あるし、人それぞれでイイと思う。

 オレが買った205みたいな「アル意味ストイックな車」の楽しさ。

 「物凄くゴージャスで、快適な車」の持つ楽しさ。

 「有り余る排気量とパワーを持つ車」の持つ楽しさ。

 「燃費が良くて、経済的で壊れない車」の持つ楽しさ。


 ソノ全てが、オーナーの幸せに繋がっているのダカラ。

 どんなに仕事が大変でも、家に帰るとソノ車が待っている。

 動かさなくても、見てるだけで癒され明日のモチベーションが湧いて来る。

 車好きな奴の、車との付き合い方ってソンナ風でいいんじゃないのかな。


 ヤベー……、車ネタ終わんねーじゃん。


 ~その4~ へ、続く……


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