第8話 討伐依頼

しっかりと依頼をサインしてもらって、ご飯を食べてから、ギルドに来た。


「これ終わったから、他の依頼ない?」


「あ、ジンさん!依頼お疲れ様でした、依頼ですか…採取か、討伐ですね!」


依頼達成を知らせ、お金を受け取りながら話しをする。

ちなみに、もう朝の冒険者はいなかった。

良い冒険者でも見つけたのだろうか。

しっかり500レギットもった。


「討伐系が良いかな、どこまで戦えるか知りたいし」


「わかりました!では、一角ウサギの討伐はいかかでしょうか」


おお、肉が美味しいウサギか。討伐達成費は安いけど、そこから肉が売れて、美味しい依頼だ。たまに、屋台とかの方から依頼が来るとか。

まぁ今日はそんなにたくさん討伐とかじゃないからな。

草生やすぜ。


「それにする、そんじゃ、行ってくる」


「もう行くんですね、行ってらっしゃいませ」


草を試すにはちょっと物足りないとも思いながら、ゴブリンだと不意打ちが怖いなとかも思い結局一角ウサギにした。


しっかし、ゴブリン討伐依頼も、一角ウサギがいる草原だった気がするな。


そんなことを思いながら、歩いて、街の外、30分ほど行った草原に向かった。













「あ、いた一角ウサギ、そんじゃ、トレントの斬れ味試すか」


トレントの保有魔力1割を使って剣の形にした。

一角ウサギとは肉が美味しいの他に、額にツノが生えている。

それが特徴。


「よっと!」


ゆっくり近つき、一振り。バターを切るように…とはいかなかったが、それなりに切れた。

首をスパッと斬って、クリーンキルをした。


クリーンキルとは、ウサギが苦しむのを避けるのと、肉の中にガスや、血が入り、商品価値が下がらないようにするための処置だ。

主に、頭、首、心臓を、一撃でやればよし。お腹など斬ると内臓の匂いが肉について売れにくくなる。

って、さっき読んだ本に書いてあった。いや、あの本はサバイバル本か何かかな。


「さ、放血だっけ、じゃあ、さっきの『全てを吸い尽くすものズローチェニーメイクェイファー』でも使ってみるか」


ズローチェニーメイクェイファーはさっきの本に書いてあった絵つきの草だ。

『草魔法で草』って説明だから生やせるよな。それより存在自体怪しいか。


「咲け!ズローチェニーメイクェイファー!」


本の絵を想像して、魔法を行使する。…けど、すんごい勢いで魔力が減っていく。


「おうおう、魔力吸うなぁ」


結論として、結果は咲いた。まだ芽しか出てないけど、生やし慣れたらしっかり生やせるようになるだろう。色は黒で、2つの葉が、風の揺られている。その側に、一角ウサギを持ってきた。


「吸うって、吸ってくなぁ」


『全てを吸い尽くすもの』なだけあって血も吸ってくれるらしい。なかなか便利だけど、1割ほど魔力が減った。これは相当消費したことになる。前に魔法使っても1回で1割減ることなんて今までなかったのに。


「いやー、有能だけど、燃費悪いな暇あれば使うってことでいっか」


第一回草魔法実験成功。


結果としては、良かったが、魔力をバカ食いするので、練習をして、魔力軽減しないと使えないな。


「血を吸い尽くしたな…ほっとくと栄養まで吸うのかな」


一角ウサギを触れるように置いといたら、血は全て吸い尽くした。そして、肉がちょっとずつシワシワになってきている。栄養を吸っているからだろうか。


「もう、食えそうにないな」


明らかにシワシワになっていく肉を眺めながら言った。

そして、肉を手に取り、思った。

軽いときっと水分まで吸ったのだろう。


「実験終わり、さてと、あと10頭一角ウサギを狩らないと」


座って眺めていたのをやめて、立ち上がりウサギの巣穴を探しに行った。






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