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  • 第3話 転任への応援コメント

     御作、拝読させて頂きました。

     近未来の日本が体験した戦争を物語の主題とするため、後世の視点から導入を図るというのは手堅い手法だと思います。
     一人称視点で物語を進めようとしますと、どうしてもその視点人物が知り得なかったことを描写する時に、制限がかかってしまいます。
     しかし、後世の視点を物語に入れることで、そうした点にまで描写を行き届けることが出来るので、非常に上手い物語の導入だと思います。

     また、早速戦闘描写を入れることで、作中世界の日本の軍事力について読者が把握することが出来ます。
     日本が憲法を改正して軍を持つ過程を描き出そうとするとどうしても長くなりますから、こうした展開とすることで物語のテンポを落とさないのように工夫されているのだと感じました。

     一人称視点とすることで、戦場に望むそれぞれの人物たちの動揺や困惑、名誉欲などがより鮮明に描き出せていると思います。

     しかし一方で、SF戦記であるためでしょうか、地の文での兵器の解説文が長く、戦闘描写に今ひとつリアリティが欠けているように思えます。
     会話文を多用して緊迫感を出そうとはしておられるようですが、それだけでは十分に「戦場の光景と騒音」が読者の頭の中に思い描けません。

     また、「無能な上官と有能な現場の人間」というステレオタイプな将兵の描写も気になるところです。

     さらに、日本の艦艇の名称についても違和感を覚えます。
     空母の名称が、日本らしくないのです。
     近未来ということで命名基準が変わっていることも考えられますが、現実世界の海上自衛隊が未だ帝国海軍時代の命名基準を引き継いでいることを考えますと、近未来とはいえ空母に「深碧」や「翡翠」という艦名が付けられる物語的必然性をもっと読者が納得出来るように描くべきであると愚考いたします。

     色々と申し上げましたが、ご不快に感じたようでしたら申し訳ございません。

     今後とも、筆者様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。
    まず、こんな駄文を真剣に読んでくださる方がいる事に少し感動しました。
    ありがとうございます。
    たしかに兵器に関する説明などの自分がやりたいことと、話を進めるために書いている文章の比率は毎回苦労しているところです。
    特に戦闘描写はスピード感を出す為に、短く、簡潔な単語を用いて表現しているのですが、やはりそれが冗長な前置きや解説とぶつかってしまっているのかなと自己分析致しました。
    次からは比率に気をつけて書いていこうと思います。

    艦船の名前ですが、各国の機体や艦船の名前の設定を考えるにあたって、地名は使い古されているという点、そしてありきたりすぎてつまらないという点がありました。
    本作では、その点に対して、新たなアプローチとして名前のルール付けを地名や人名を用いる現代から一新し、別のルール付を行いました。
    例えば、中国軍は動物、伝説上の生物、災害の名前。ドイツ軍は天体、星、星座の名前。そして日本軍は艦船は色名、機体は花や鎧の部位から取っています。
    こと日本軍の艦船に関しては、色によって艦隊が識別されているのでそれに合わせ、濃度が高いほど大型の艦船という形で設定しています。(全てではないですが。)
    また、色を使った理由は、日本語に色を表す名称が非常に多様であり、その多くが漢字2文字や3文字で表すことができるからです。
    そしてそれが個人的に日本らしいと思いました。

    最後に、本当に趣味レベルで忘れた頃にぴょこぴょこ更新している物ですが、一読していただいたことを感謝いたします。

    大変参考になりました。
    ありがとうございます。