偽物の太陽

廻り 道に降る

目には見えぬ手綱を握り 今ここへと押し留める

廻り 街に降る

目には見えぬ力を与え 今ここへと水を呼ぶ

変わらぬまま変わり続ける 奇跡とさえ聞こえる歌


思い出す 空と海に響いた声を

昨日に出会ったような あの日の太陽を

昔に出会ったような あの日の太陽を




廻り 人に降る

誰も知らぬ秘密の業で 今ここに僕を造る

廻り 森に降る

誰もが知る秘密の業で 今ここに命を造る

変わるがまま変わり続ける 奇跡とさえ聞こえる歌


思い出す 光で影を焼いた声を

無邪気に笑うばかりの 幼き太陽を

今生まれたばかりの 幼き太陽を


思い出す 星の語りに似た声を

食卓の席で笑う 哀れな太陽を

嫌われるばかりの 偽物の太陽を

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る