入隊依頼書

入隊依頼書

皇暦2084年4月18日


日本国陸軍侍隊隊長 上原信明


敦賀士郎殿


この度突然の封書にて挨拶させていただくことご容赦願いたい。先だって出雲市立平田中学校より才能ある生徒のあることを聞き調査させていただいた所、貴殿の退魔における才、非常に良なることが分かった。この度は緊急ながら貴殿に我が日本国陸軍侍隊への入隊を依頼するものである。二年前八月三日、異国召喚によって首都圏広域において三千六百二十七万五千余名の同胞の命が奪われた。また彼の異国は、日本のみならず世界全土へと進出し蹂躙することを宣誓した。この事は我が国として断固として許さざることである。翌年二月一日において我が国は異国へと宣戦を布告し、異国民の血でもって同胞の苦痛と魂を贖うことと相成った。異国兵は我々には解析不能の異能を有し、砲弾、誘導弾並びその他の兵器のほとんどを無効する事が分かった。一方、幸いにも我が国は開闢以来の神々の加護を得た退魔刀を有することが分かった。この太刀、退魔刀の一太刀は異国兵の異能をも粉砕しうるものである。現在、我が国軍は異国軍との戦闘において一進一退の攻防を繰り広げ、なんとしてもこの国土と人民を守り抜かねばならんう。才能のある貴殿にどうか我々侍隊に合流していただき家族と国民のためその才を発揮して貰いたい。重ねてお願い申し上げる。


日本国陸軍侍隊隊長 上原信明




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