第11話 タマ子5歳

「タマ子王女様、本日からお城の外の見学ですね。嬉しいですか?」


タマ子の侍女カヤが尋ねた。


「嬉しいよ!凄く嬉しい」


 タマ子は5歳になっていた。そして4歳の弟セオ、3歳の妹フローレンスがいる。


 午前中には3人で礼儀作法のお勉強、そしてタマ子は王国の歴史や国語を習っていた。

 昼食は家族で過ごし、待ちに待った城外の見学の時間がやって来た。


「タマ子王女、行きましょうか」


 そう声をかけたのは執事のアンドレアだった。

 2人は部屋から出て階下に降り、城の大きな出入り口にやって来た。

 アンドレアは扉を開け兵にコクリと頷き広い広い庭園を歩いた。

 やがて大きな金色の門が見えて来ると立ち止まった。


「タマ子王女、私の傍を離れないでください」


 アンドレアはそう言うとまた歩き始めた。


「アンドレア、いろいろな人と出会うでしょ?お話しを聞いてもいい?」


 歩きながらタマ子は尋ねた。


「私が良いと判断したら大丈夫でございますよ」


 門番にコクリと頷くと大きな門が開いた。タマ子は初めて城外に出たのだ。

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