「つよくてニューゲーム」選択不可

 とりあえず現状をまとめてみる。


 魔神が世界を我が物にしようとしている。

 そこで選ばれた3人の少年たちが、戦いを挑みにいったけど、全滅。

 さらに、鏡に封印されたため、戻ってこられない。

 うーん、終わりね。


「うーうー」

 犬の姿に変えられた魔界からの使い、パンドラは、もうちょっと本を読んでくれという感じでうなる。

「ただし」

 本はつごうよく続きの文字を組み上げていた。

「どんな武器や魔法、というのは現存するレベルのもので、それを想定外に超えた力では不明」


 まあそうでしょうね。いつからだったかしら、予想外のことを想定外というようになったのは。

 人はいつか死ぬし、地球にはいつか魔神が攻めてくる。そのへんはあたしはさばさばしてるのよ。


 ……いつか?

 ってか、「いつ」この本書かれたのかしら? あの頃最強の必殺技もどんどん、強い敵が出てきてパワーがインフレ起こすじゃない?


「パンドラ、この本いつの話?」

 とつぶやきながら後ろのページをたぐると、奥付けのようなところはあった。都合よく数字に変換……されない。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る