第14話 心のけじめ

 彼と連絡が途絶えてもう2ヶ月以上経ちました。

その間、時間があれば彼の病、統合失調症について調べていました。

おおよその情報はインターネットで拾いましたが、最近の私は実際に統合失調症の彼や彼女、家族の方の記事を読んでいます。

そちらの方が納得できる事や新しい発見が多いです。


ある方の弟さんは統合失調症でした。彼女もいたそうですが、

彼女の存在が負担になったら連絡しない、気が向いたら連絡する。

と、とても身勝手な行動を取っていたそうです。でも

この病気は他人に興味が向かなくなる事もあるそうです。

それは自分の事で精一杯だから。


とっても納得できました。


彼は気が向いたら私にテキストを数日おきに送ってきて

こちらが返信してもすぐには返事もくれなかった。

忙しい私も最初はその方が都合が良かったです。でも、気持ちがどんどん相手に入って行くと、彼の行動が理解できなかったし、彼がどうして過去女の子達と

真剣な付き合いに発展しなかったかというのもわかりました。


彼は「ごめんね、僕は自分をこよなく愛してるんだ」と言いました。

自分の事で精一杯だったというのが今ならわかります。

そして、きっと彼の中でも私の彼への思いが強くなればなるほどそれが負担になったのでしょう。そして私の元から逃げ出したのかもしれないです。

いつかまた巡り会いたいと願ってますが、そろそろこの気持ちを諦めなければいけないかなと思っています。


彼は一度私の連絡先を削除しました。でも結局気持ちをセーブできずに

私に会いにやってきました。そしてまたそこから私たちはスタートしました。

相手の連絡先を消す行為はなかなかできないと思います。人は未練を持って生きる動物だから。でも彼はそれができる人なんです。きっともう私の連絡先は彼の携帯の中にはないでしょう。


結局私は彼を救う事も出きなかったです。


ソウルメイトにすらなれなかったと思います。


背中に大きな十字架を背負って、体の真ん中にある心に空洞ができた状態で

今の私は前を向いて歩いて行ってる。


どちらも選べなかった私への罪でしょう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る