夢でも見ているかのような

 災害から始まる日常の崩壊に、臨場感のある描写が為されていたと思います。
 日常が突然崩れるというのは、必ずしもフィクションの中だけに起こるものではありません。逆に言うと(あくまで作家的な物言いになってしまいますが)、体験しづらく、その時の心理描写や臨場感の出る演出が難しいものと個人的に思っています。それを主人公の心理も交えて描写できるのは、間違いなく才能だと思います。お見事。