第3話 デート?

 エミカ先輩からアドバイスを受けた日から7日間が経った


 この7日間、一旦自分の気持ちをリフレッシュしようと、自分が楽しむために思いっきり時間を使った。

 本を読んだり、テレビや動画をみたり、ゲームをしたり、友達と遊んだり、久々にマサキと放課後に遊びに行ったりもした。

 もちろん学校も、バイトも、真面目に行った。


 最近は何をやってもイマイチ乗れなかったし、心の底から楽しいと感じれなかった。


 何かを考えながら別のことをしていると結局、楽しいことも楽しめないんじゃないかななんて思った。わかんないけど……

 思いっきり楽しんで頭をリフレッシュさせると、ただ歩いてるだけでも爽やかな気持ちになれて、自分がどうしたいって、進学のことも見えてくる気がする。

 あくまで気がするだけで答えは出ていないけどそれすらいいことのように感じる。

 今日はこれからマサキと会う予定だ。

 昨日ラインでマサキから会おうって連絡が来て、急遽決まったので予定は未定、だけどおそらく映画かカラオケかになるのかな?

 

 家を出て、いつも待ち合わせ場所にしているショッピングモールのフードコートへ向かう

 

 ショッピングモールのフードコートに着くと珍しくマサキが先に来ていた


「ごめん、お待たせ」


「おー、飲み物買ってくる。荷物見てて、なんかいる?」


「じゃあコーヒーのホットで」


「おけ」


 財布を出そうとすると


「いいよ、奢る」


「いいの?珍しい」


 いつもはキッチリ割り勘してて、最初はマサキが奢ろうとしてくれてたんだけど、私がルールを作り割り勘にした。

 お互い学生だし、あんまり奢ってもらうのは引け目を感じるし、対等じゃない気がするからだ。

 後ろを向いたマサキから答えが返ってくる


「まあ、コーヒーぐらいなら」


 まあ、奢られるのは悪い気はしないし、たまにはちょっと甘えよう


「ありがと」


「おう」


 席に着き、スマホをいじっているとしばらくしてマサキが戻ってくる。

 コーヒーには二つずつ砂糖とミルクがつけてある。

 コーヒーを一口そのまま飲んでみる。


 うん苦い


「いっつもみたいに砂糖とミルク入れないの?」


「うん今日はちょっと気分で」


 コーヒーのブラックをさらっと飲める人って大人っぽいよね?


「そっか」


「うん」


 マサキも買って来た飲み物に口をつける。

 「何買って来たの? 一口ちょうだい?」と言おうと思った時、マサキが先に口を開く


「話があるんだ……」


  重そうな口調に少し戸惑い


「ん?」


 よくわからない嫌な緊張が走る


「あのさ、俺お前のことなんか好きじゃなくなったから別れよ、、ごめんな」


「え?」


 脳の活動が一瞬止まる


「いや、嫌いになったとかじゃないんだけど、冷めたってか、彼女としては、好きじゃなかったみたいな」


 いつもより早口の流れるような言葉が耳を通り抜けてから、止まっていた脳が動き出す。

 あっ振られてるのか、私。


「友達としては全然いいんだけど、だからごめん!別れよ」



 三年生になった直後になぜか二年生だった時のクラスで集まって遊んだ。


 朝からスポッチャに行き、夕方からはカラオケに行ってその帰り、マサキに告られた。


 マサキが私のことを好きだという噂も聞いていたし、それを聞くと思い当たる節があるような気がした。


 なので告白に驚きはしなかったけど、自分を好いてくれる人がいることにうれしくは思えた。


 彼氏もその時はいなかったし、二年生の頃、割と喋ったりはしていた。

 三年で同じクラスでは無いというところも、私からしたら付き合いやすいかなと思ったのでオッケーの返事をした。


 好きだからというよりは嫌いじゃなかったからとりあえず付き合ってみようって感じだ。

 まあ多少はマサキの熱に押し切られた感も否めなかったけど。


 そこからは喧嘩もなくそれなりにカップルしていたと思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る