第45話 後ろからどうぞ♡①

「え………今から?」



 突然のラマニアからのお願い。


 何故このタイミングで………。



「駄目、でしょうか………?」


「いや、駄目じゃないけど……明日はビロープ領に出発するわけだし、今夜はゆっくり休んだほうがいいんじゃ……」


「だからです!」


「え…わっ!」



 そう言ってラマニアは俺の胸に体ごと飛び込んできた。


 その反動で俺は後方へヨタヨタと押し込まれ、そのままベッドへ倒れこんだ。


 身を起こしてラマニアのほうを確認すると、ラマニアは後ろ手でドアを閉め、ガチャリと鍵をかけていた。



「ラマニア………?」


「明日からしばらくの間、リン様と会えなくなってしまうのです。ですから……その前にもう一度だけ、リン様の『聖塔ミティック』を私の『聖門ミリオルド』に刻み付けて欲しいのですっ!!」


「ラマニア………」


「いけません………か?」



 さっきはコウガ君の手前、納得しているように振る舞っていたが、心の中ではやはりまだ納得しきれていなかったのか。


 だが、このラマニアの申し出を聞いて、ようやく俺も同じ気持ちだったのだと気付かされた。


 そうだ。


 俺も本当はラマニアと離れたくなかったのだ。


 けど、世界を守る責務を負う俺達にそんな我が儘は許されない。


 だからせめて今夜は………



「俺も………俺にもラマニアの『聖門ミリオルド』を忘れないように、挿入いれさせてくれ」


「リン様………!」



 ラマニアは再び俺の胸に飛び込んできた。


 今度はゆっくりと。


 そのラマニアの肩を優しく抱きしめ、俺は『聖塔ミティック』を出した。



「さ、ラマニアも『聖門ミリオルド』を………」



 俺が出させても良かったが、できれば今夜はラマニアに自分から出してもらいたい気分だった。



「あ、あの、ちょっと待ってください!」



 ラマニアは突然何かを思いついたかのように俺から離れたかと思うと、ベッドにうつ伏せの形で寝転んだ。


 そして顔をベッドにうずめたまま腰を上に浮かし、俺に向けてお尻を突き出すような体勢になる。



「ちょっ、ラマニア!その体勢はちょっと……マズイって!み、見えちゃうよ!!」



 ラマニアの肉付きのいいヒップラインが上に向かって突き上がる事により、寝間着の内側の下着が見えそうになる。



「大丈夫ですよ………」



 するとラマニアは相変わらず顔をベッドに埋めたまま、両手を自身のお尻にかざし、



「出でよ、『聖門ミリオルド』」



 そう唱えるとラマニアのお尻の前に『聖門ミリオルド』の光の縦筋たてスジが出現した。


 そしてラマニアの両手の白く細い指によって、左右に「くぱぁっ♡」と拡げられる。


 俺の位置から見ると、『聖門ミリオルド』によってラマニアのお尻が隠されているようになった。


 ま、まぁこれなら確かにラマニアの下着を見ないで済むな。



「よ、よし。それじゃあ、挿入いれるよ?」


「ま、待ってください!」



 今度は何だ?


 ラマニアに制止され、『聖塔ミティック』の挿入をストップさせる。



「リン様、私の手を握ってしてくださいませんか?」


「手を?でもそれだと……」



 ラマニアの手を握るとなると俺の手が塞がってしまう。


 どうやって『聖塔ミティック』を挿入すればいいんだ?



「大丈夫です。『聖塔ミティック』は手でしか出せないわけではありません。イメージさえあれば、体のどの部分でも扱えます」



 そうなのか?


 とりあえず言われた通りラマニアの手を握ろうと思ったが、ラマニアの手は今『聖門ミリオルド』を開門くぱぁしているので、その両手首を握った。


 そしてこの体勢からだと『聖門ミリオルド』の位置的に腹の辺りに『聖塔ミティック』があると挿入しやすい。


 俺は『聖塔ミティック』のイメージを腹の前に集中させると、そのイメージ通りに腹の位置に移動した。



「おお………本当にできた」


「そ、それじゃあリン様………来てくださいっ」



 ラマニアはまた顔をベッドに埋めながら俺に懇願した。


 そのため最後のほうは声がくぐもって聞き取りにくかったが。


 今一度、現在の二人の体勢を説明しよう。


 ラマニアは顔をベッドに埋め、膝を曲げて腰を上げ、俺にお尻を向けている。


 そのお尻の前に『聖門ミリオルド』を出現させ、それを両手の指で拡げ開門くぱぁさせている。


 俺はラマニアのお尻の前で膝立ちし、ラマニアの両手首をつかんでいる。


 そして俺とラマニアの間には『聖門ミリオルド』と『聖塔ミティック』が、挿入いれる準備万端で待機している状態だった。



「じゃあラマニア、今度こそ挿入いれるよ……?」


「はい………来てください♡」



 俺は後ろに引いていた腰を前にゆっくりと押し進める。


 すると俺の腹からえているような状態の『聖塔ミティック』も、ゆっくりとラマニアの『聖門ミリオルド』の門内なかへとずぶずぶと沈みこんでゆくのであった。



「んっ♡んんんんっ♡♡♡」



 ずぷぶぷぷっ!


 俺の『聖塔ミティック』がラマニアの門内なかに進入していくと、ラマニアの体も前に押されていく形となるが、俺が両手首をつかんでいる事によって体が逃げていくのを止める役割をはたしていた。


 挿入の進捗具合はちょうど半分くらいといったところで一旦動きを止め、俺は一呼吸ととのえると一気に残りの部分を奥まで突き入れた。



「んふーっ♡♡♡♡♡♡♡」



 ベッドに顔を埋めたラマニアが、声にならない声をあげる。


 いや、声というより息かもしれない。



「奥まで入ったよ………ラマニア」


「ふーっ♡ふーっ♡」


「動かすよ?いい?」



 こくん、こくん。


 声には出さず、首を縦に振って答える。


 それを見て俺はまたゆっくりと腰を後ろに引く。


 後ろに下がる俺の腰と腹についてくるように『聖塔ミティック』がずるりとラマニアの門内なかから引き抜かれる。


 外の空気に触れた『聖塔ミティック』は熱を帯び、その全体はラマニアの『聖門ミリオルド』から溢れ出る蜜によってヌラヌラと濡れて鈍く照り輝いていた。


 そして限界まで後ろに引いた腰を再び前へ一気に突き動かす。


 俺の腹が『聖門ミリオルド』に激しく打ち付けられ、室内に「ぱぁんっ」という乾いた音が響きわたる。


 その音が鳴るのと同じタイミングでラマニアも。



「んんんんんんっ♡♡♡♡」



 ベッドのシーツを噛みしめながら、衝撃に耐える声を押し殺そうとしていた。

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