神話、鍛冶、錬金術、魔術、魅惑の美少年、つまり最高に面白い!

時に美しく、時に残酷に。
精緻に構築された架空王国で繰り広げられる珠玉のファンタジー小説!
複雑な出自から己というものがわからず、いまひとつ自信が持てずにいた主人公のエルリフ。そんなエルリフが国家の一大事に巻き込まれたことから物語がはじまります。
とにかく、盛り込まれた要素が多種にして多彩。主人公エルリフの鍛冶技術をはじめ、錬金術、魔術、そして人智及ばぬ神々の御業まで。幻想譚愛好家垂涎のキーをこれでもかと打ち込みながら、すべてを破綻させずにまとめ上げた手腕はお見事という他ありません。
中盤以降はとにかくフルスロットル。疾走に次ぐ疾走、困難と探究の果てにエルリフがたどり着いた<答え>にひたすら涙。読了の瞬間の充足感と爽快感は素晴らしいの一言に尽きます。
キャラクターも実に魅力的。殊に女性たちがそろって強く気高く美しい。個人的には魅惑の踊り子ことミーリュカがお気に入り。妙なる踊り子が如何なる存在であるか。ぜひとも、読んで確かめてべし!