自宅療養・外来医療中の十か条

 私は現在、自宅療養、外来医療中である。

 これらの状況が意味するところを、まずは明確にしたい。


<療養>

[名](スル)病気やけがの手当てをし、からだを休めて健康の回復をはかること。治療と養生。「自宅で療養する」

参考:https://kotobank.jp/word/%E7%99%82%E9%A4%8A-659599 2019年6月12日 コトバンク


<外来医療>

医療は受ける場所によって

①外来医療(外来診療):病院や診療所の外来に通って受ける

②入院医療:入院して受ける

③在宅医療:患者さんの自宅などで受ける

の三つに分かれます。

参考:https://homedi.eisai.jp/consumers/about/comparison.html 2019年6月12日 Homedi


 繰り返しになるが、私は入院医療を経て、現在外来医療中であり、自宅療養中である。そんな中、私が具体的にすべきことを考えた。

 病院ではない自宅での闘病生活というのは、あれこれと考えすぎて負の無限ループに陥りやすい。あの時ああすれば良かった。もっとこうすべきではないか。過ぎ去った事に対する結果論の後悔。まだ起こっていない事に対する過剰な心配。たくさんのネガティブな思考が頭を埋め尽くすことがある。そうしていったん認識された考えは、なかなか頭の中から出て行ってくれなかったりもする。私は病気治療中だ。こういうマイナス思考は体に悪い影響を与えることはあっても、良い影響をもたらすことはない。だから、後悔も心配も無理やりにでも脇に置き、外来医療中で、かつ自宅療養中の身である私がやるべきこと10か条を記載する。


1) 処方通りに薬を飲む

2) 夜寝て朝起きる

3) 3食食事する

4) 毎朝ストレッチをする

5) ほぼ毎日散歩する

6) 毎日風呂に入る

7) 自宅を綺麗に保つ

8) 自分を綺麗に保つ

9) 人に会う

10) 1~9以外の時は、好きなことをして楽しく過ごす


 私は1~9まで、実行している。

 5を“ほぼ”としたのは、足の関節や筋肉の痛みや天候不良のため、毎日実行するのは難しいいからである。7と8は、掃除洗濯をして、人と会うときは可能な範囲でお洒落をする、ということである。9は、ひきこもりにならないよう、多少の努力がいる。私の場合、幸い実家が近く母がかなり頻繁に訪ねてきてくれるため、自身の努力なしに成し遂げられてしまうが、家族以外の友人に会うとなると、勇気を振り絞って、といった自発的な心構えと行動が必要となる。

 一番難しいのが、10だ。

 何故ならば、楽しい瞬間が訪れれば訪れるほど、罪悪感が生まれてしまうからだ。

 よくあるのが、病気で休職しているのに、楽しく映画なんて見ていて良いのだろうか、というものだ。これは映画だけでなく、読書、飲酒、買い物、何でも当てはまる。

 病人は病人らしく、一日中何もできずベッドで横になっていれば、罪悪感は生まれないだろう。しかし皮膚筋炎という病気は、入院医療で症状がピークを迎え、外来医療に突入すると寝たきりにはならないのだ。むしろ、回復のために、規則正しい生活、適度な運動が必須になる。だからこそ、上記の通り10か条を掲げた訳だが、1~9を実施するためには、健全に10を継続実行することがキーになると思う。

 楽しい、嬉しい、幸せといった感情は、気持ちを前向きにする。この気持ちのポジティブさが1~9をやり続けるためには必要なのだ。

 笑う門には福来る、とも言うが、笑うためには楽しくないといけない。この場合の笑うは、冷笑や苦笑などではない。嬉しいから笑うのだ。

 自分が病気なのに、楽しい、嬉しい、ましては幸せと感じることは難しい。けれどそう実感することはたとえ療養中でも可能だ。病気になる以前から好きだったことを思い出してやってみるといい。いわゆる趣味だったり、趣味とまでいかなくても好きなマンガを読んだり、近所を散歩して綺麗な花を見つけるだけでも良い。

 そういうことの積み重ねが、回復に役立つ。回復すれば、1~9以外のことも出来るようになる。病人は小さな枠の中に強制的に住まわされている身分だが、その枠は少しずつ広がっていく。広がる過程で、社会とのつながりは強まり、より一層自立した自分に近づいて行ける。

 そのために、10か条を継続していきたい。


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