さすがです!アインズ様!

「アインズ様、さすがでございます!!!今回報告する件ですが、まさにそれでございます!!!」

デミウルゴスは笑顔で説明をした。


「そうか・・・やはりな・・・」

(それって、何???デミウルゴス・・俺分からないよ~)

アインズはまだ、何について話しているのか分からなかった。


「アインズ様、このまま話を進めさせて頂きますと、


現在ナザリックでは、捕まえた人間を監視する為に、首輪型の監視機器を製造し、王族や貴族向けへの販売を開始。


現在はセバスに、この商品の営業と購入者の調査を任せております。

そして、今後は人間には内緒で、アクセサリー型の監視機器を作ろうと考えております。


まずは、ネックレスタイプを普通のアクセサリーとして広く販売し、極秘裏に人間のデータを集め、効率的に実験用の人間を確保するのが狙いでございます。

その為、アインズ様の意見と許可を頂きたく存じます」


キランと眼鏡を光らせて、早く人間に使ってみたいとデミウルゴスは思った。



「・・・ふむ・・・人間の監視機器か・・・まあ人は見た目では分からない事だし、良いんじゃないか?・・・そのまま計画は進めてもいいだろう。

ただ販売する時は、私やナザリックに無礼を働いていない者を苦しめるような機能は付けるなよ?」


デミウルゴスは苦しむ人間には何の関心も無いだろうから、アインズは念のため釘を刺しておいた。



「はっ、そしてアクセサリー型の監視機器が完成しましたら、人間に対して上手く作動するかを仮メイドのツアレに装着させて実験をしたいと考えております。」

当たり前のようにツアレを実験体にする事を提案するデミウルゴス。


「ほう・・・ツアレを利用する利点はどこにある?」

アインズは、最近助けたツアレをすぐ実験体として利用することがほんの少し気になった。(セバスの意欲低下やストレスが心配だな・・・)



「・・・私がナザリックに連れてきた人間を使用して街中で実験するとなると、恐怖感から逃げてしまう可能性があり、洗脳する手間が掛かります。そして実験中に逃げた場合は即刻処分致しますので、情報漏洩の問題はありません。


しかし、今回は通常の精神状態の人間を使用したい為、ナザリックで共に働いている人間のツアレが適任と考えました」

一度でいいからツアレを実験体にしてみたいデミウルゴス。



「人間に対して安全性が確保できているなら、実験は許可しよう。ただしセバスに相談して了承を得られてから・・・が条件だ。

ツアレも大切なナザリックの一員だからな」


アインズは人間に対しては、小動物に向ける程度の愛着しかないが、ツアレを失ったり傷つけたことによるセバスの意欲低下を心配しあえて、「大切」という言葉を使った。



「かしこまりました、アインズ様。では、セバスとツアレが戻り次第、実験について相談することに致します。お忙しい中、話を聞いて頂きありがとうございました」


デミウルゴスは一礼をして、アインズの部屋から出て行った。


デミウルゴスが出ていくと、アインズは安心感で脱力した。

(ふうう~なんとかデミウルゴスの話は乗り越えたぞ~。突然話しかけられると準備してないから大変だな~。疲れた~)


アインズはアンデッドなので汗は出ないが

緊張してドキドキしたので、

冷汗を拭いた(拭いたつもり)


(・・・・ツアレに監視機器付けたいって言ったら、セバスはどう思うのかな?

デミウルゴスにどのぐらいの期間監視するのか聞けば良かったかな?)


最後にアインズは、出しっぱなしにしていた遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)をしまおうと、アインズは鏡に目を向けると



・・・偶然ツアレが着替えて、お風呂に入ろうとしているのが目に入ってしまった。


(きゃ~~~~!ごめんなさい~~~~!)

アインズは心の中で乙女風に叫んで、遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)をそっとしまった。




ツアレの着替えを見たなんて・・・

こんなこと、セバスに言えない・・・・

アインズの秘密が一つ増えたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る