夜のお話

アインズ様にご報告でございます

アインズはセバスチャンから、魔法効果のある服の説明を受けていた。

「ふむ、これは着るだけで効果があるんだな?」

「そうでございます。こちらの服は、着用した者の肌に触れることによって発動するとのことです」


アインズは服の袖に自身の骨の腕を通してみたが、いまいち効果が実感できない

「完全に着用しないと、効果は発動しないのか?または、私のようなアンデッドや皮膚が無いものには効果がないのか?・・・どうなんだ、セバス?」


「はい、アインズ様。服を制作した者によりますと、「人間が使用することを目的としている」という事なので、まだアンデッドやモンスターに効くかの実験はしていないようでした。アインズ様の質問に対して、具体的にお答えできず申し訳ありません」

セバスは立ち上がり、深々と謝罪した。


「気にするな、セバス。分からないことは誰にでもあることだ。これから実験をしていけば良い。」

アインズはまた新しい実験が出来る事を喜んでいた。


「実験をするなら、デミウルゴスを呼ぶか。」

アインズはデミウルゴスに通信した。

「はい、何でございましょう。アインズ様。」

「デミウルゴス、新しい実験を頼みたい。あるアイテムの効果の調査だ」

「かしこまりました。只今外で調査をしておりますので終わり次第、ナザリック地下大墳墓にに帰還いたします」


アインズはデミウルゴスとの通信を切り、セバスに伝える。

「では、この服の調達はセバスに任せる。服の効果を試す実験は、デミウルゴスに任せるが良いな?何か異論はあるか?」

「いえ、ございません。しかし、お願いがございます。」

「ん?なんだ、セバス?言ってみたまえ。」


「今回持ち帰った三枚の服のうち、一枚か二枚をツアレに着用させてみたいのですが、よろしいでしょうか?」

「ふむ、そうだな・・・デミウルゴスにも実験の準備や欲しい効果の服のリストをまとめる時間も必要だろうから、先にセバスに渡しても問題はないだろう・・・好きな服を二枚選べ。」

「アインズ様ありがとうございます」


セバスは、回復力アップと即死無効化率アップの服を選んだ。


「残るはこの一枚だな、セバス、最後の一枚の効果は何だ?」

「こちらは、光魔法の軽減効果があるようです」

「さすがだ、セバス。服の選択のセンスが良いな。」

「ありがとうございます」

(なんとかツアレ用のプレゼントは確保しました・・・)


____セバスがデミウルゴスが帰ってくる前に立ち去りたいので、アインズに挨拶をして離れようとしたら_____


・・・・タイミング悪くデミウルゴスが帰ってきた。


「お待たせして申し訳ありませんでした、アインズ様。どのアイテムを実験すればよろしいのでしょうか?お見せ願えますか?」

デミウルゴスは、セバスがいた事もありニヤニヤしていた。


「これだ、デミウルゴス。このごく普通の服に、魔法の効果が付与されているらしい。着用するだけで魔法効果が発動するらしいが、私が袖を通しただけでは発動しなかった。」

アインズがデミウルゴスに服を渡す。


「人間が着るセーターというものですね。触った感じは私も何も感じませんが、実験用に何人か人間を確保してありますので、さっそく実験に使ってみます。アインズ様、ありがとうございます。」

デミウルゴスは一礼をして下がる。


そのやり取りを見ていたセバスは、もう一度挨拶をして玉座の間を後にしようとするとデミウルゴスに話しかけられた。


「おや、セバス。その手に持っているセーターは誰かにプレゼントをするのかな?いったい誰だろうね・・・まさかあの下等生物にあげるのかな?」

にやにやした表情で、セバスをからかう。


「そうですが、何か問題がありますか?人間に着用させて、何か結果が出たら報告しますよ。それで宜しいですよね。」

セバスは冷たい態度で答えた。

「おお、怖い、怖い。セバス、そんなに怒らなくても良いじゃないか。とりあえず報告楽しみにしてるよ」

ツアレの事で、セバスをからかうのが楽しくなってきたデミウルゴスは、わざとらしく話した。







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