第29話 太陽系内地戦。 その6

 CICを出たラノンはすぐに前方格納庫フロントバンカーへ向かった。


 入り組んでいたが、思った以上に早く着いたラノンは目の前に有る艦載機かんさいきに飛び乗る。


「人員が少ないとは聞いていたけど、これ程とはな⋯⋯」


 ラノンが艦載機に向かっている時に人と出くわしたのはたったの1人、バンカーにも人は通信担当の1人しか居なかった。


「ラノン⋯⋯君だったかな。砲雷長から話は聞いているよ」


 ラノンが艦載機へ乗り込もうとハッチを開けると、スーッとおじさんが近ずいてきた。


「あ、そうです。宜しくお願いします⋯⋯」


 おじさんは少し緊張しているラノンを見て少し笑った。


「そんなに緊張するなら乗らなければ良い。なんで乗れると思うのかい?君は民間人なんだろう?」


いきなりだった。


「⋯⋯た、確かに俺は緊張してます──」


「なら⋯⋯」


 おじさんはラノンの回答に答えようとする


「ただ、俺は自信がある。あいつに、ミノルに任せっきりでは駄目なんです。あいつはブランクがあります⋯⋯。だから手伝ってやらないと⋯⋯、俺なら出来ます。」


 ラノンはそう言ってハッチを開けきり中に入った。


「俺は出来ます。あれだけ練習しましたから⋯⋯」


 おじさんはもう止めなかった。

 そして、ラノンの緊張は恐怖からでは無かった、むしろ武者震いがしている。自分が少しワクワクしているという事にラノン自ら気付き苦笑する。


「おいおい。俺はいつから戦闘厨せんとうちゅうになったんだ⋯⋯」


 独り言を呟いて艦載機の計器を一通り見ると⋯⋯


「こいつ⋯⋯、誰が使ってたんだよ⋯⋯」


ラノンはまた苦笑した。



 ★ ★ ★


 どうも斑雪です。前回と打って変わって短めです。

 次はかなりの説明回かも⋯⋯

 ただ、次は重要回でもあります。

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