第27話 太陽系内地戦。その4

「艦載機を搭載している艦はすぐに艦載機を発艦させ、敵艦載機攻撃に対応せよ」


 シュヴァルべからいきなり無線が入る。


「艦長⋯⋯」


 ペッパーさんは何か心当たりが有るのかダミオスさんの方を振り向いた。


「このふねには艦載機が載ってます⋯⋯」


 ペッパーさんからの衝撃告白。

 流石のダミオスさんも少し戸惑う。


「なっ、これパトロール艦だぞ⋯⋯?」


 謎の艦載機かんさいき搭載パトロール艦『EP-203』造った人間はとち狂っていたのだろうか⋯⋯


「1機だけですが、艦前方格納庫フロントバンカーに⋯⋯」


「だが、誰も乗れないだろう⋯⋯。」


 ダミオスさんの言う通りだ、この艦には星間戦闘機なんて乗れる────

 一瞬だけ悪寒がした。何となくこの後の流れが分かった気がする。俺の心の中で警報が鳴り響いていた。


「⋯⋯あ。」


 後ろを振り向いては駄目だ。俺には、この砲撃の仕事が⋯⋯


「おい。お前、乗れるだろ⋯⋯」


 ダミオスさんは誰に言ってるんだろう。


「おい!!」


 ⋯⋯


「おい!!ミノル!!」


 必死の現実逃避は⋯⋯、叶わなかった。


「ミノル君が⋯⋯?流石に艦載機は艦長⋯⋯」


 俺の事をただの機械弄りが得意な民間人としか思ってないペッパーさんは俺が艦載機に乗れるなんて夢にも思ってないのだろう。苦笑いしながらダミオスさんを止める。


「いや、アイツは乗れる。」


「いやいやいや、流石に艦長⋯⋯、民間人を艦載機に乗っけて戦闘は──」


 ペッパーさんがダミオスさんの無茶振りを必死に止めようとしている時、俺の左後ろから声が聞こえた。


「ペッパーさん、ミノルは乗れます。」


 声の主はラノン。あのバカはふつーにそう言ってのけた。


「ら、ラノン君まで⋯⋯」


 ペッパーさんもラノンの一言に困惑している。


「こいつ、軍大出身ですよ??」


 ラノンがそう言った瞬間、CIC内は宇宙空間に放り出されたかの様な沈黙に支配された。


  ★ ★ ★


 どうも斑雪です。


 さて、ミノル君。頑張れよ笑

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