第16話 はじまり。その4

「連絡ぅ?なんのだよ·····」


 無理矢理起こされた俺は若干キレ気味でベットから起き上がった。


「ああ、ダミオスさんからだよ!『CDC』に来いって·····お前に言ったら分かるって言われたんだ!」


「CDCぃ?·····CDCねぇ·····」


 俺は二日酔いの頭痛や眠気と闘いながら『CDC』なる物を思い出そうと必死に記憶を探った。


 ダミオスさんが俺に聞けば分かると言った事、『CDC』へ来いと言ったこと、その2つに特に意味があると思う。

 そして朧気おぼろげに意味を思い出した。


「指揮所か?·····」


『Combat Direction Center』略して『CDC』簡単に言えば航空母艦や空戦での指揮を行う場所である。

 確かこのステーションには軍の駐屯地ちゅうとんちがある筈だった。


「戦闘指揮所だ!ステーション内部の駐屯地だよ!!そこに『CDC』は必ずある筈だ!」


「駐屯地?」


「ああ、宇宙軍の駐屯地だよ。今から俺も着替えるから、車!車用意しといてくれ!!」


 ラノンは困惑していたが、すぐに分かったと言って玄関から飛び出して行った。


 俺はすぐに外出の準備を済まして、服を羽織るように身に着ける。

 ただ、どうしてもダミオスさんが俺を軍の駐屯地に呼ぶ理由が分からない·····

 俺は変に胸騒ぎがしていて、それをかき消すかのように俺は玄関から飛び出して行った。


「すまん、遅くなった。」


 ラノンは俺が車に乗り込んだのを確認するとすぐに道に飛び出した。


「おい、自動運転切ってんのか?」


「ああ、当たり前だ。あんなノロノロ走られちゃ困る。ダミオスさんからは出来るだけ急げって言われてんだよ·····」


 ラノンの顔はいつにも増して真剣だった。

 人でも殺めたの?なんて冗談をいつもなら言うが、それすらも言えないほど本気マジ雰囲気ふんいきだった。


「んで、どんな連絡内容だったんだよ。」


 まったく説明してくれないラノンに運転中だが、俺は話しかけた。


「ダミオスさんは『CDC』にお前を連れて来いと言った。後はおいおい説明するとも言われた、だから急げってね。でも一言だけ、一言だけ簡単に説明してくれた。敵が来たかもしれないってな。」


 敵?ラノンの話を聞いた俺はまず何かの冗談だと思った。

 敵なんてこんな内地に来るはずが無い。まず、このステーションの近くには第四艦隊の母港ホームベースがあるはずだった。

 防禦ぼうぎょは万全、太陽系内地ではかなり安全な方になるくらいだ。


「ここにか?敵が??」


 俺は訳が分からなかった。確か第四艦隊は英雄アダラート中将率いる優秀艦隊で、敵なんて見逃す訳が無い。


「わかんねぇよ俺にも、ただダミオスさんは『敵』って言ったんだよ!」


 ラノンが大声を出す。


 ただひたすらに、いつもじゃありえない程に加速した車は駐屯地へ向かった。


 そしてそれが俺達の人生を大きく変える事になる。


 ★ ★ ★


 どうも斑雪です!!

 少し遅くなったプラス短めですがサボってる訳ではありません!


 頑張ります……(o_ _)o パタッ

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