第5話 4つの。

 同時に4つの不明点アンノウンが第五、第六、第七、第八艦隊のレーダーに映ったのはつい3時間前の事だった。

 すぐに地球連合艦隊総司令部に情報は集約され全ての地球連合艦隊に情報共有データリンクされた。


「して、その光点アンノウンはすぐ消えたと?」


「はい。4点同時にレーダーディスプレイ表示範囲内に入って約10分間、全てが同じ速度18.5km/sで飛行した後、レーダーから消えました。」


「うむ·····」


「全ての艦隊が偵察隊を編成し向かわせましたが、既に跡形もなく消えさっていたそうです。その後はレーダーに一切の変化は見られませんでした。」


「他には·····他には何も無かったのか?」


「はい。現在、これと言った異変は起きておりません。」


「どこの物かは分かっているのか?」


「いいえ、一切不明です。むしろ現れた証拠もレーダー履歴にしか残っていません。」


「4点同時攻撃·····か。」


「まだ、攻撃とは決まっていませんが·····、そう考えて置いた方がいいかも知れません。」


「あの戦争が終わって1年しか経っていないのだがな·····」


「そればっかりは·····宇宙は広いですから。」


「うむ。艦隊警戒度をレベル2からレベル4へ引き上げる。地球連合艦隊、全艦隊は警戒をげんとなせ。」


 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


 どうも斑雪です。今回はとても短いです笑

 サボってる訳では無いですからね!!


 さて、今回初めて出てきた(はずの)「警戒をげんとなせ。」と言う用語ですが、簡単に言うと「いっそう注意してくれ」と言う意味です。

 つまり厳密におこなえって事ですね。


 あと、前話で言い忘れていた用語説明がありまして、それは【第三宇宙速度】です。


 第三宇宙速度とは地球軌道・地表においてある初速度を与え、地球さらには太陽の重力をも振り切るために必要な速度の事、約 16.7 km/sとされています。


 また第一宇宙速度、第二宇宙速度というのもあり。


 第一宇宙速度とは、地球において高度を海抜ゼロ(海面もしくは地表すれすれ)とした円軌道の軌道速度の事で、約 7.9 km/sです。


 また、第二宇宙速度とは地球の重力を振り切るために必要な、地表における初速度であり。約 11.2 km/sで、第一宇宙速度の √2倍という事になります。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る