第4話

 どうしたの?

 この数日間まったく反応が無かったけど。

「核の破壊を忍とやっていた。」

 忍と!?

「どうやら俺達は、忍のことを勘違いしていたようだな。」

 何か、聞いたの?

「伝説の忍だ。」

 伝説の忍!?

 あの、伝説の忍に会ったの!?

「誰だ。」

 忍に詳しい。

 読んでおいた。

 忍に関しては彼女に聞いて。

「そうか。伝説の忍に会ったわけじゃない。十勇士の十番手と八番手に会っただけだ。」

 忍隊十勇士…十番手と八番手……性格は正反対で極端な二人ね。

 十番手は、三好。

 面倒臭がり屋で、遠距離戦に長けているわ。

 それを活かして、仲間の支援に徹しているの。

 八番手は、伊鶴。

 十勇士の中では一番真面目。

 近距離戦は彼の十八番よ。

 捕縛係といったところね。

「見事に真逆な二人だな。伝説の忍は?」

 無口で、どんな性格をしているかもわからない。

 彼と互角に戦りあえるような相手はいないとされているの。

「それは違うな。」

 どうして?

「伝説の忍と互角に戦りあえる奴はいる。」

 まさか、貴方だと言いたいの?

 有り得ない。

 彼は、一度も負けたことがないし、傷を負ったこともないとも言われているのよ?

「違う。俺じゃない。『伝説の忍』と互角に戦りあえるのは、『元伝説の忍』だけだ、と聞いた。」

 誰から?

「八番手。」

『元伝説の忍』なんていない。

「いる。長だ。」

 長?

 忍隊の?

「そうだ。」

 忍隊の長は、夜影っていうの。

 夜影の肩書きには、そんなものはない。

『日ノ本一の戦忍』だとしか。

「日本一の忍が、伝説の忍と互角にはなれないのか。」

 伝説と日本一は違うのよ。

 兎に角、夜影じゃ伝説の忍には勝てない!

「そんなに強いのか。」

 私、記録を読んだの。

 伝説の忍には、夜影は勝てなかった。

 負けたの。

「何故生きてる?」

 死に損なっただけ。

「記録書を全部読んだのか?」

 全部は読んでいない。

 けど、負けたのは事実。

 伝説の忍の名前すら、わからない。

「伝説の忍と戦りあったなら、長に聞けば奴のことがわかるということだな?」

 どうかしら。

 そう簡単に、聞き出せる?

「やってみないとわからんさ。取り敢えず、長を探し出す。向こうは、俺を見つけたみたいだからな。」

 夜影が、貴方を?

 そんな、どうやって?

「それも、長に聞くんだ。」

 気を付けて。

 いくら伝説の忍に負けた忍だとしても、忍隊の長なんだから弱いはずがない。

「あぁ。」

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