価値観とは。間違いとは。そして疑問を持つこととは。

この作品にはあちこちに色んな価値観が散りばめられてある。
既存の価値観に疑問を持つことは孤独と危険を伴う。
それなら考えるのをやめればいい。
そうすれば安全でいられる。
ただ盲目に受け入れていればいい。
そしたら苦しまずに済む。

ほかと違う存在に対して名前をつけるのは容易い。
それは誰のためか。
本人のためではない。
自分たちが安心するためだ。
忌み嫌おうが綺麗な言葉で崇めようが、
特別扱いには違いない。

既存の価値観に染まるのは楽だ。思考を停止させるほど楽なことはない。
でもそこに拭えない違和感はないか。
違和感から目をそらして視線を合わせないようにしてはいないか。

疑問を持つという危険と、疑問を持たないという危険。
どちらが本当に危ういのだろうか。

様々な価値観の渦巻く世界で、自分で考えることを求められる作品。