《 八月十六日 》 2

               2


 八月十六日 午前九時


 この事実は、安田警部補から上司である捜査第一課10係係長の田辺警部に報告された。その手があったかと、田辺警部も喜んだ。早速、捜索差押許可状と逮捕状の請求をしよう。いまから捜査本部に戻るから、書類を揃えてほしいと依頼をした。

 この内容は、田辺警部から本田刑事部長と佐々木捜査第一課長に報告した。本田刑事部長は、納得の表情を浮かべた。



 同日 午前十一時



 捜査第一課10係係長の田辺警部は、捜査本部がある、大和北署に到着した。

 到着した田辺警部は、真っ先に鑑識課課長の山辺警部に会ってお礼を述べた。そして、家宅捜索の協力を要請した。

 それから、安田警部補のもとに行き、捜索差押許可状と逮捕状の請求にあたる内容の確認をした。


 一、横浜市瀬谷区で起きた事件

       ナンバープレート

         八王子501 し 633 

       の捜索

 二、その他三件の事件に使用された

       ナンバープレート

         多摩 500 お 1523

         品川 500 し 8574

         川崎 500 ん 5365 

       の捜索

 三、瀬谷区で起きた事件でナンバープレートを付けていた坂口浩介所有の

         チェスター 八王子 583 へ 7979

     同じく所有のケーラ 八王子 330 へ 47

       の捜索と差し押え

 四、捜索場所は

   大和市渋谷九丁目10―11コープラス谷原103号室

   借りている駐車場

   東京都奥多摩町 実家

 五、十七日の犯行を事前に止めさせるために夜間の捜索の許可


 裁判所には早急な判断をお願いする旨を書いた嘆願書を添えた。

10係の安田警部補と酒田巡査部長に裁判所に令状請求をしてくるように指示をした。



 正午を過ぎていた



 田辺警部は、坂口浩介のアパートを監視している、水月巡査に電話連絡をいれた

「そちらの状況はどうだ?」

「はい、いまのところ動きはありません。朝早く、新聞をとりに部屋を出ましたが、その後は、部屋に戻ったままです。」

「そのときの服装は?」

「部屋着です。スエットの上下です。」

「わかった、捜索差押許可状と逮捕状の請求を行っている。今日中に捜索をしたいと考えている、本人が出かけそうになった時は、すぐに連絡をしてください。」

 と、伝えて電話を切った。



 つづけて、田辺警部は、神奈川県警警察本部にいる刑事部捜査第一課課長の佐々木警視に電話で、捜索差押許可状と逮捕状の発行の手続きを開始したと報告をした。

 

 これで、昨日話し合いがされた。神奈川県警警察本部地域部自動車警ら隊が主導で行う予定であった作戦は中止となった




 これに伴い、神奈川県警警察本部刑事部、刑事部長の本田智和警視正から直接、田辺警部の携帯電話に連絡があった

「神奈川県民をはじめ、日本国民を恐怖に陥れた許しがたい事件だ。万全の捜索を行って、すべての証拠をあぶりだしてくるように、期待しているぞ。」

 と、伝えた。


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