《 第五の射殺事件 》 4・5

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 八月十日 午後四時三十六分



 田辺警部の願いも、むなしく

大和市内を走る県道50号線のつきみ野で、射殺事件が起きた。

 しかも、大和北署管内で、ふたたび起きた。



 夕方、ランニングを日課にしていた男性。高下孝三(六十五歳)さんが、撃たれた




 その状況を見ていた人が、消防と警察に連絡をした。

大和北署にも連絡が入り、田辺警部をはじめ捜査第一課10係が緊急走行で、臨場した。




 到着した頃には、救急車に搬入されている高下さんの姿があった




 田辺警部は、救急隊員に聞いた

「容体は、いかがですか?」

「難しいかもしれません。」

 と、救急隊員は、答えた。




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 連絡をしてくれた人と、目撃をした複数の人が、警察の事情聴取に応じてくれた。



 その方々の話をまとめると、こうだった。


 県道50号にある信号機は、自動車を止めるため赤信号だった。高下さんは、その信号にある横断歩道でなく、止まっている自動車の間をすり抜ける状態で、県道50号を横断していた。そして横断している最中に撃たれた。

 信号の最前列で待っていた自動車が光を放ち、パンという音を出した。その瞬間、男性が倒れた。その自動車は、信号が変わった瞬間、走り去ったということだった。ただ、誰もが倒れた高下さんに気をとられ、走り去った自動車の特徴やナンバープレートの番号を見た人はいなかった。



 そんな中、ドライブレコーダーに、自動車が映っている可能性があるということで、大和北署に映像データを持ってきてくれた人が現れた。



 この話は、すぐに田辺警部にも知らされ、すぐに署に戻った。

そして、ドライブレコーダーのデータの提出を依頼した。


 提出をしてくれた人の話だと。信号の最前列で待っていた時、対向車線で止まっていた自動車から何かが光ったということだった。

 ただ、ラジオを聞いていたため、音については、よく判らないという話だった。

この事件は、テレビ報道で知っていたため、役に立てばという思いで、提出に快諾をしてくれたということだった。




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