第17話

【なぁ、おいっ。

卵は飽きた。何か、ねぇのか?】

何時ものごとく部屋でマッタリしてたら、火トカゲさんが唐突に言い始める。


【確かに温泉もいいけど、ノンビリばかりもねぇ~。

綺麗な景色とか観たいんでしょ?】

ペンギンさんも。

こりゃあ、そろそろ温泉町を出る頃かな。

僕はと言えば、温泉入って、討伐系イベントして、のんびりして。。。

それを繰り返してただけ。

ダラダラもここまでか。


「ねぇねぇ、デッカイ滝がみたいんどけど、ペンギンさんって、前に言ってなかった?

何とかの大瀑布とか。」

温泉来るかどうかって決めてた時にペンギンさんが言ってた筈なんだけどな。


【アルカディアの大瀑布?】

僕を見上げながらペンギンさんは言ってる。

めちゃ可愛いんだよね。

言わないけど。


「そそっ、その大瀑布が観たいなって。」

元の世界でもナイアガラとか、イグアス?あとはビクトリアだったっけ?

他にもエンジェルフォールも凄いんだったよね。

あのクラスの滝が観たい。

異世界ならではの凄いのがいいな。


【あの辺りなら巨獣の縄張りだ。

いくぞ。巨獣狩りだ。】

それなんですよ。問題は。

その巨獣とやらは、僕で倒せる様なもんなの?

火トカゲさんはノリノリだよ。


【不安そうな顔してるわね。

巨獣が原因?】

さすがペンギンさん。よく分かってくれてる。


「うん。襲われたら、僕で対応出来るの?」

不安なものは仕方ない。


【巨獣と言っても狂暴なのは一部よ。大人しい種類もいるし。

肉食の巨獣は。。。。

まぁ、何とかなるでしょ。】

フワッとした答えだな。

ペンギンさんも余裕な感じだし、僕よりもペンギンさんや火トカゲさんの方が絶対強いよね。

変身するより、変身の為のお助け獣の方が強いって変身する意味あんのかね。


「はぁ~。。分かったよ。

行こう。そのイグアスの大瀑布に。」

怖いけど、楽しみでもあるんだよね。

ナイアガラとかより凄いのかな?


【よしっ、そうと決まったら行くぞ。】

火トカゲさんは、速攻で行く気らしい。

ちょー短気。


「ちょっ、せめて明日にして。

もう日も暮れ始めるし。」

昼過ぎなんだよ。

今から出掛けたら、絶対に野宿でしょ。

無理だって。

この世界には、フカフカのベッドはないけれど安心して寝れる場所で寝たい。

なるべく野宿は避けたいんです。

これ、僕が現代社会に害されてるからじゃないよね?

普通の考えでしょ?


【ちっ、軟弱なヤツだな。

行くと決めたら、さっさと行けばいいんだよ。】

火トカゲさんは、どうしても今から行きたいんだね。


【朝から出掛けましょ♪

最後のお風呂楽しむの♪】

流石です。ペンギンさん。

それがいいです。ノンビリしてください。


【。。。分かったよ。

明日の朝早くから出るぞ。】

火トカゲさんも折れた。

ペンギンさんには、弱いよね。

どういう関係なんだろ?

火トカゲさんの住み処もペンギンさんは知ってたし。


温泉最後の夜は、ノンビリとお風呂に入って、温泉使った料理を食べて、布団でユックリ寝ました。

硫黄の匂いするからか、何だか日本な雰囲気がチラチラと見られたし、感慨深かったんだよね。

離れるのは、ちょっと寂しい。




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