第17話 夫のクズぶり7 パートに行くママ

 私と娘は、娘が小学校に入学するまでは朝8時過ぎに起きていました。夫の事務所は歩いて5分の場所、娘の保育園は自転車で5分の場所だったので朝はゆっくりと起きてよかったのですよ。

 夫は自分の事務所に出勤ですからもっとゆっくりで8時半に起きて、インスタントコーヒーを飲んで新聞を読んで9時5分前に出勤していました。

夫に朝食を取るように言っても全く聞く耳持たず、あまり言うと切れるので放っておきました。


娘が小学生になると7時15分に起きて8時10分に娘を送り出す感じでした。


それが、野菜洗いのパートは7時からでしたので私は朝6時に起きて6時半から20分ほど自転車に乗り出かけねばならなくなりました。


朝は、私の代わりに夫に娘を起こして食パンを焼いて食べさせて、小学校に行くお友達との待ち合わせ場所に遅れないように送り出してもらうことにしました。


この頃は貧乏で朝は食パンだけの朝食でした。果物だのヨーグルトだのは、我が家には贅沢品で滅多に家にあるものではありませんでした。


夫は仕方なく私がパートの日だけ娘の世話をし、出勤するようになりました。


そしてパートを終えて12時半に帰ると夫も事務所から帰って来るので私が昼食を作っていました。


ある日曜日にパートがあった日のことです。パートの仕事で私は1時間の延長をお願いされましたので家に電話して帰るのが遅くなると夫に伝えました。

夫は朝、娘を起こして食パンを焼いて食べさせて洗濯機を回し、洗濯物を干していました。

そして、ちゃんと娘にお昼ご飯も作って一緒に食べていました。


私が「ただいま〜。」と帰って来ると娘と夫はお昼ご飯を食べていましたよ。


「あー、お腹空いた。ママのご飯は?」


もちろん、わかっていましたとも。


妻の昼ご飯のことなど思いもしなかったんでしょう。


家族のために働いて帰ってもお母さんはご飯を自分で作るものだと思っているのは夫だけではない時代でしたから。


「あ、ごめん。」

この一言でよかったです。


夫は、「あ、忘れてた。」

と言っただけでした。


忘れてたんじゃなくて、妻のご飯を自分が作るという意識が無かったんですよね。


私がパートを始めることを姑に話したら

「妻は夫のために苦労して辺り前」

と言われました。

姑もそうだったのでしょう。


まぁ、そういう時代でしたから。

子どものご飯、多少の家事ができるだけで、良い夫というね‥。



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