第8話 夫の幼なじみと私の親友が結婚

 夫の幼なじみが彼女を探していました。

誰か紹介してやって欲しいと言うので、親友を紹介しました。この親友がすごい美人のピアノの先生で、背が低くめの少しふっくらとしているグラマーでモテそうな感じがする子でした。


 4人でお見合いのダブルデートをしたところ、さっさと意気投合して私たちよりも早く結婚してしまいました。

 

 気心知れた4人で遊ぶのは本当に楽しいことでしたが一つ問題がありました。


 ある日、親友に深刻な様子で相談されました。

「デートの時の帰りの車の運転を引き受けたら彼が寝てしまった上に、次の約束をしてくれなかったの。私のことをあまり好きではないのかも…。あ、夫氏には言わないでね。」と。


 私は親友が可哀相で、夫に言ってしまいました。

 「不安がってるから、さりげなくもっと大切にするように言ってあげてくれない?あ、私が言ったことは内緒よ。」


 夫は幼なじみに言ってしまいました。

「って言ってたから、お前、少しは気を使ったら?あ、俺が言ったって言うなよ。」


 幼なじみは彼女に言ってしまいました。

「聞いたよ。ゴメンな。仕事で疲れて寝てしまって。何時でも会いたいって思ってる。あ、聞いたって言わないでくれる?」


 親友は彼氏に言ってしまいました。

「なんか、内緒話が一周してるわよ…。バーバラ口が軽いところがあるのよね。あ、夫氏に言わないでよ。バーバラに伝わるから。」


 幼なじみは夫に言ってしまいました。

「バーバラは口が軽いところがあるから気をつけた方がいいらしい。あ、俺が言ったって言うなよ。」


 夫はバーバラに言ってしまいました。

「お前、口が軽いって思われてるよ。気をつけたら?」


 バーバラは親友に言ってしまいました。

「話が一周してるわよ。私の口が軽いって。」


 親友「やっぱりね。そうなると思って口が軽いって言ってみたのよ。」


 バーバラから夫へ「話が一周するか確かめる為に私の口が軽いって言ったんだって。」


 夫から幼なじみへ「話が一周するか確かめたらしいよ。」


 幼なじみから彼女へ「話が一周するか確かめたって本当?」


ってな具合でして、4人で内緒話がグルグルと回るのが面白過ぎました。


 親友とは一緒に子育てをして、ピアノの発表会をして本当に楽しい三十数年を過ごしました。姉妹のようにお互いの家を行ったり来たり掃除したり食事を作ったり…。


 まさか、恋をして子ども三人と夫を捨てるとは思いませんでした。我が子よりも自分の恋を取った彼女を許すことができず、連絡が途絶えたままとなっています。


 彼女の末の子どもが登校拒否になってしまいその後、心配して様子を見に行くと、私を見るとお母さんを思い出すから来ないで欲しいと夫の幼なじみに言われてしまいました。


 私も捨てられたような気持ちです…。

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