帰り道

瑠璃は、しばらくハロルドちゃんと遊んだ後、けいちゃんと一緒に屋敷に帰ろうとしていた。

「あー、楽しかった。けいちゃんありがとう。」

瑠璃は上機嫌だった。

「よかったね、るーちゃん。」

圭二は微笑んだ。無邪気な瑠璃の笑顔には、かなわない。

「そういえば、藤原さんと福引に行ったんだって?」

圭二は尋ねた。なぜ知っているのか分からないが。

瑠璃はそんなことは分からずに、素直に答えた。

「そうだよー。楽しかったなあ。」

「へええ、何が当たったの?」

「るりはねー、ディズミーランドのちけっとが当たったよ。」

「すごいなあ。」

圭二は頷いた。

「ふじわらさんは、おしょうゆだったよ。」

「え、そうなの? あははは」

圭二は思わず笑ってしまった。

そんなとりとめのない会話をしていた時だった。


「ん?誰だ!」

ふいに、圭二の顔が厳しくなった。

誰かがついてきている。

「すばやい反応、褒めてやろう。」

そこにいたのは、見知らぬ男の二人組だった。

「レッドウォーリアか、雑魚め!」

「貴様、なぜその名を知っている?!」

レッドウォーリアと呼ばれた二人組は、圭二を見て驚いた表情をした。

「そんなことはどうでもいい、失せろ!」

圭二は怖い顔をして怒鳴った。

「そういう訳にも行かない、とある方のご命令で、そのガキをもらっていくぞ。」

「できるもんならやってみろ!」

圭二は瑠璃をかばうようにして立ちふさがった。

「けいちゃん、だいじょうぶ?」

瑠璃は心配そうに圭二を見上げた。圭二は瑠璃の頭をなでると、

「るーちゃんは、オレの側から離れないようにね。」

と、優しく言った。


二人組が、束になって圭二を殴りにかかってきた。

しかし、圭二は微動だにせず、レッドウォーリアの目のまえにかざした。

それを見た二人組は、慌ててこう言った。

「貴様、何故それを知っている!」

「悪いな、お前らの行動はお見通しなんだよ。」

「今日の所は見逃してやるが、覚えてろよ!」

二人組は、慌てふためいて去っていった。


「怖かっただろ、るーちゃんごめんな。」

「けいちゃん、強いねえ。」

その時、誰かが走ってきた。武とさとるだった。

「おい、お前らだいじょうぶか。」

「るーちゃん、だいじょうぶだった?ごめんね。」

武とさとるは、交互にそう言った。

「遅いぞ、お前達。オレがいなかったら、どうなってたやら。」

圭二は腕組みして、溜息をついた。

「そう言うなや。これでも急いで駆け付けたんやで。」

「そう、またが来たから慌てて来たよ。」


「だいじょうぶだよー。みんな、ありがとう。」

瑠璃は特におびえた様子もなく、三人に笑顔を見せた。

圭二の謎は深まるばかりだったが、その日は三人で、瑠璃を無事に屋敷に送り届けたのだった・・・。

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