呼び名

やってきました!俺にとっては魔のホームルームの時間が‥‥‥しかし

その前に俺が



「彼女以外の女性に興味はない!」



の発言で、クラスから冷やかしのブーイング。で、彼女が恥ずかしさのあまり黙ってしまったので、そんな彼女を見たクラスの奴らは可哀想に感じたのか、彼女と俺の告白の話はなくなった。

(てか!当たり前だ!それよりも俺は可哀想じゃないのかよ(泣))

で、結局、クラス一人一人の自己紹介に時間を使った‥‥‥訳だが、あの野郎、時野 宗吉がいらんことを言い出した。



「みゆ姐‥じゃなく、先生!」


「うん?なんだ、宗吉」


「朝日 ヒロミが二人いて、困惑しちゃいそうなので、クラスで呼び名を考えて見てはどうかと」


宗吉のその言葉に、俺は後ろを振り返ると、宗吉の奴は俺を見て右手の親指を立てて、ニタリとした顔をした。



『宗吉の奴、余計な事を言いやがって!俺に彼女ができたもんだから、羨ましいんじゃないのか』



なんて思いながら宗吉をみていたら、みゆ姐が腕を組んで考え、



「うむ〜、私もそれは思っていたよ。ややこしいからな」


『思ってたんかい!てか、ややこしいのか!』


「どうだ、みんな!これについて話し合うか?」


『これって!』


「「「異議なあーし!!!」」」



結局、クラスのやつら面白半分で話し合いを進めるんだか、宗吉あの野郎が中心になって行っていくので、話は進む、進む。

で、呼び名なんだが、彼女の方は無難な名が並びますよ。


朝日さん、朝日ちゃん、ヒロミちゃん、美少女ヒーちゃんとか。

で、俺は、スケコマシヒロ、女好き朝日、ヤリマンヒロ、とか酷いのが並びますよ。


で、


「誰だ!このニューハーフヒロてのは!」


「あっ、それ、俺」


「お〜ま〜え〜なあ〜」



俺は恨めしそうに宗吉をみるが、宗吉はニタリとした顔をすると



「どうだ!みんなこれ!」


「いいんじゃねえ」

「ヒロにはあっているな」

「違和感ないな」



男子共は俺が羨ま憎いのか、もうめちゃくちゃ言ってきますよ。

で、彼女は朝日さん、ヒロミさん。俺はヒロで落ち着いた。

(結局普通じゃないかよ!)

で、ですね、彼女を見ると何か悩んでいるんですよ。で、聞くと



「女子も貴方を、ヒロで呼ぶの?」


「うん、そうなるね」


「う〜ん、なにかやだなぁ〜」


「?」


「だって下の名前で呼ぶんですもん。下の名前で呼んでいいのは私だけにしてもらいたいかな」


「えっ?」

「あっ!///」



彼女、なんか悩んでいる影で何かイラついたような感じがしたと思ったら、大胆発言ですよ。これには俺も驚くと同時に赤面しましたよ。

彼女も言ってから気づいたのか、下を向いて恥ずかしがってます。

まあ、この後はどうなったかはお察しのとうりで、クラスの全員から羨ましいコールと俺に対してのブーイングですよ。

女子どもはキャァキャァ言ってますけど。

そんな騒がしい教室内で一人だけ落ち着いて俺たちを見る人が、



『おもしろいわねあの二人。観察しがいがあるわ』



しょう霊子れいこ先生は俺と彼女を見てそう呟いた。







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