第35話 種明①

「おつかれさま。今まで指示通り動いてくれてありがとうな、三島景。」




今なんて言った?嘘だろ?こいつが?


「お、おまえ....だれだ。」


やっと振り絞った声で、謎の美少年に話しかける。


「おいおい、転校してからずっと隣の席なのにそれは酷くない?」

「は?」


隣と言えば、パッとしないような女と、もっとパッとしないマスクメガ......


「あっ」


今までマスクメガネの素顔を見たこと.......ない。1度もない。


「さとう....さぐり.....」

「名前は覚えててくれたんだね、嬉しいよ。」


それにしてもかっこいいな。切れ長の目にくりっとした目。ちょうどいい肌の白さに小さな口。女の子のような顔立ちながらも、何故か男らしく感じる。

ここまでの美少年なかなか見た事がない。いつもこいつなんでマスクしてるんだ?...てかこいつがメール主?どういうことだ?


「黙ってないで、秋咲の手を離せよ。ぶっ殺すぞ。」


「ひっ」


可愛らしい顔から想像できない冷えた声に、慌てて手を離す。そして、離して後悔した。もう失うものはないのだ。

しかも色々な人間と関わっている俺は保身のため鍛えているので、強い。

こんな奴俺が倒しちゃえば.......


よし、やろう。



────────────────────



三島に、俺のしてきたことや事実を話す前に、しなければならないことがある。


今、三島の目は危ない。今か今かと襲い掛かろうとしている。


「秋咲、目を瞑ってて。」


だから、襲われる前に、


「ふんっ!」

「くほぉぉ!」


倒す。


一撃で。


俺が思いっきり蹴った足は三島の股間にクリーンヒットした。


「秋咲、目開けていいよ。」

「おま.....なんで.........」

「そんな今か今かって襲おうとしてるやつ、ほっとく訳にはいかないよ」

「ひきょう....だぞ.....」

「しばらく待つわ」


そして、三島の痛みが引くまで待った。


「おい、もう大丈夫か?立てるか?」

「ああ。」

「また変な動きがあったら蹴るからな。」


「もうしねえよ」


これは本当みたいだ。


「よし、ちょっと待っててくれ。」


そういって俺は、ある2人の人物に電話をかける。


そしてまたしばらく待つ。


やっと来たようだ。


「これは....どういうこと.....?唯未とさぐりんと......三島?」

「雲水。今から話すことをよく聞いておくんだ」

「さぐりん?私とはもう口を聞かないんじゃ.....まあいいわ。わかった」



「それじゃあ種明かしを始めよう」



そして俺は、話し始めた。俺の行動の全てと、真相を。




────────────────────



久しぶりの投稿です。次はいつになるだろ......

勉強の息抜きで書いていきます。


こんにちは。嵩いの李です。皆さん、いつも読んでくださって、本当にありがとうございます。

レビューやいいね、コメントして下さりますと、とても喜びますし、モチベーションがすごく上がります。特にレビューして下さるとハイテンションになって裸で踊り狂います。質問等もお待ちしております。

嵩いの李は現役高校三年生、受験生なので、不定期更新です。何卒、御理解お願いします。これからも、『ラブコメ主人公は爪隠す』をよろしくお願いします。


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