第39話 心配なんです《江菜視点》
朝、蓮地さんの様子を見に、樹さんに教えていただいた自宅住所の書かれたメモ用紙を見ながら伺うと、「蓮地なら息抜きも兼ねて鈴奈ちゃんとデートに行ったぞ」と樹さんが教えてくださいました。
服装はラフな格好とだけ伝えられて、蓮地さんも何処に行かれるか知らないようで場所は分からず終いです。
ですが、デートという事は鈴奈さんの友人の木更さんに場所を伝え、鈴奈さんと木更さんの同級生の代表の子達にも伝えて向かっているはず。
そこまでは良いのですが、私、木更さんの連絡先やCOMINEのアカウントを知らないのですよね。なので、蓮地さんの家に行き、水樹さんに聞くことにしました。
予想の一つでしたが、鈴奈さんはしっかりと水樹さんに真面目に何処に行くかを伝えておりました。
お陰で、蓮地さん達のいるボーリング場に
ボーリングではお二人のやり取りを観察しながらカモフラージュで蒿田とボーリングをしましたね。やったことがないので点数ボロボロでしたが。
それよりも、まさか蓮地さんがボーリングが苦手で、鈴奈さんパーフェクトを取るとは驚きました。
それも鈴奈さんを抱き締めた蓮地さんのお陰ですけど。
ボーリングの次は同じ施設内のスポッツという様々なスポーツで遊ぶ場所。
この時、木更さん達と合流して遊ぶことにしたようです。それに何と言いますか、鈴奈さん達の距離が縮まった感じもしました。
私も来たのでバッティングすることにしました。目指すならホームランとバットを振って打つときでした、「凄いなぁ」と蓮地さんが褒めていたのが聞こえて、対抗心が燃えて本当にホームランを打つことになりました。
次は見て欲しいという思いでホームランを……。
すると、鈴奈さんは私に気づいたようで対抗してホームランではありませんが、バッティングでのボールコントロールが必要なピッチャー返しをしてきました。
負けじと、私もホームランを返しし続けていると段々楽しくなり十分程鈴奈さんとし続けました。
「お嬢様帰りましょう!」
プレイ時間が終わった途端、蒿田が青ざめた表情で私に言いました。
張り切りすぎたみたいです。でも、まだ皆さんの様子を見ておきたいのですが。
「もう少しいては駄目ですか?」
「駄目です。何かあったらでは遅すぎます」
体調が崩れただけだと思うのですけど、蒿田に気圧されて私は帰ることにしました。
今度は蓮地さんと私だけでボーリングをしたいですね。
「帰りましょう」
「はい」
スキンシップや雰囲気で兄弟とバレなければいいのですが。まあ、鈴奈さんが蓮地さんを好きなので大丈夫だと思いたいですね。
それが心配です。
そして………
「悔しい」
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