第3話 自分だけの友だちが欲しい王子さま

 王子さまに会い、異世界からの先生を呼ぶと言うなり、


「先生ならいらない。どうせ、覚えられないし、覚えたくもない。でも、僕のことを思ってくれる人ならいいなぁ」


 王子さまには、友だちと言える人がいなかった。


 城下町には、同年代の子どもがいるのに、王子さまは、お城から出ることができなかったからだ。

 王城内でも、同年代の子どもはおらず、かといって、王さまである父上と王妃さまである母上の間には、長兄王子と兄王子、3歳上のお姫さまがいたが、友だちと言える者はいなかった。


 友だちという言葉も分からなかったが、王子さまは、自分だけの味方が欲しかったのだ。


 異世界から、先生となるべく者が召喚される。

 その先生は、王子さまに何をもたらすのであろうか。

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