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二十歳の呪いなんて可恋なら大丈夫!
絶対打ち砕いていけるはず。
だって彼女は私の希望そのものなんですから
可恋ちゃんの病気 たぶん私と同じなんじゃないかな?って、ずっと思ってました。
症状がほんとによく似ているんですよね。私の病気と。
私も生まれつきの免疫疾患を持っています。
小さな頃から入退院を繰り返して生きてきました。
それこそ小学生の頃なんて1、2ヶ月休むことなんてざらでした。
子供の頃の記憶といったら、病院のベッドで泣いてる自分しか思い浮かばないくらいです。
成長して少し体力が付いてきてからは、病院のお世話になることもかなり減ってきましたが、それでもいまだに調子が悪い時は、可恋ちゃんみたいに一週間くらい寝込んでしまうことも多々あります。
微熱、全身の倦怠感、発疹、身体中の痛み、吐き気、目眩、etc…
これらの症状が出た時は、朝ベッドから起き上がることすら困難で、しばらく寝たきりの生活を余儀なくされます。
私の場合寒さに弱いってわけではないですが、感染症が脅威であることに変わりはないので、風邪が蔓延する冬場はやはり他の季節よりかなり気を遣ってしまいます。
同じ理由で少しの怪我にも神経質になりがちです。
唯一可恋ちゃんと決定的に違うことと言ったら、私は"二十歳まで"というか、余命宣告を受けたことが一度もないということでしょうか。
私の場合、現在の医療では治すことはできないけれど、症状を緩和する為の治療は可能であると言われています。
もっともその為には、可恋ちゃんみたいに毎月の辛い検査と検診、副作用がとてもきついお薬が必要になってくるのですけど。
でもね、こんな情けない身体を抱えた私でも思うのです。
生きてさえいれば、みんなと同じようにあらゆる可能性を秘めているのかなって。
たとえ少しくらい病気のリスクを抱えていたとしても、目標に向かっていける勇気と希望さえ無くさなければ、みんなと同じように少しは輝いていられるのかなって。
私の望みは他のみんなより、ほんの少しだけ限りがあるだけなのかなって。。
全ての願いを叶えてしまいそうな可恋ちゃんは、そんな私にとってほんとに夢であり、憧れであり、希望そのものなんです。
だから絶対大丈夫!
愛しいひぃなちゃんといっしょなんですもの。
絶対二人で夢を叶えてくれるはずです!
二年前、左目の視力を失いました。
右目もいつ失明してもおかしくない状態だと言われた時は、ほんとに目の前が真っ暗になる思いでした。
こんな私から、光まで奪ってしまうのかって神様をほんの少し恨んじゃいました。
でも、それでも私、まだ生きているんです。
まだしっかり右目も見えているんです。
最善を尽くして立ち向かえば、可能性なんてきっといくらだってあるんです。
私も可恋ちゃんみたいに、もっと強くありたいです。
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ひろ津さん。ありがとう ありがとう ありがとう…
ほんとにどれだけたくさんの感謝の言葉を並べたって、きっと足りないてす。
こんなに泣いたのはどれくらいぶりだろう?ってくらい、わんわん泣いてしまいました。
私のために 私だけのためにこんなに暖かいメッセージを残して下さるなんて。。
ほんとにほんとにありがとう
"思いは繋がる"
可恋という希望。
陽稲という希望。
私の心の中にも灯る、希望という光。
可恋と陽稲の成長と、二人の愛の行く末を最後の最後まで見届けること。
これがこれからの私にとっての大きな目標のひとつであり、願いであることは間違いありません。
ひろ津さんのこの作品にかける情熱や思い、ひとりひとりの登場人物に注がれている愛情や熱意は、毎回読んでいてすごく伝わってきます。
だからこそ、みんな眩しいくらいにキラキラと輝いて、魅力的なんだと思います。
こんなにも大切にされている作品にかかわれたこと、とても嬉しく、そしてありがたく思っています。
これからもずっとずっと応援し続けていきたいです。
コメントへの返信があまりにも嬉しくて、ついつい長々と書いてしまいました。
どこに書いてよいものかわからなくて、ここに書き足させて頂きました。
すごい長文になってしまい、ほんとに申し訳ありませんでしたm(_ _)m
作者からの返信
感想ありがとうございます。
のあんさんのこの文章を読んでいろいろなことを考えました。
嬉しい気持ちやありがたい気持ち、これからも頑張ろうという気持ちなどもありましたが、それ以上に自分はこの作品にしっかりと向き合えているのだろうかと問われたように感じました。
こういうことを言うと失礼かもしれませんが、書き手としてわたしは読者よりも登場人物たちに寄り添い、その思いを描きたいと考えています。
読者に楽しんでいただくことは大切ですが、この作品の中に生きるひとりひとりに向き合い、その声に従って物語を綴っていきたいと思っています。
登場人物たちを大事ニすることが結果的に読者を大切にすることだと信じています。
その思いを改めて胸に刻んでこれからも書いていこうと思いました。
のあんさんの告白は可恋や陽稲たちにもきっと届きます。
苛酷な現実も彼女たちなら乗り越えることでしょう。
令和な日々はまだまだ続きます。
この物語がハッピーエンドを迎える日まで楽しんでくださるよう心より祈っています。
そして何よりお体を大切にお過ごしくださいませ。
* * *
可恋は胸を張った姿勢のままグータッチを求めて右腕を前に差し出した。
陽稲はその隣りで柔らかな笑顔を浮かべてそれを見つめている。
呪いは、絶望してしまえば本当の呪いになったかもしれない。
だが、それすら人は力に変えることができるのだ。
可恋は敢然と前を向く。
思いは繋がる。
それこそが”生”の証だ。
陽稲は自分の右手で可恋の左手を握る。
運命なんてものはない。
ただ自分たちの前に道を切り拓くために歩みを進める。
孤独に苛まれる夜もある。
神様を恨む時だってある。
裏切られたり、人を傷つけて途方に暮れたりすることもある。
それでも少女は前を向く。
心の中に灯る光があるから。
可恋という希望。
陽稲という希望。
心に灯す希望となるために”私””わたし”は……。
医師の何気ない一言が、大切な彼女の人生を呪われた世界に変えた。
まだ子供だろうから、という思いで発した言霊は、向かった先で呪いに転じてしまう。
それでも、その呪いを打ち破るべく、必死に進んでいるからこそ、彼女の大人びたオーラが周りの女子達に影響を与えているのでしょうね。
中学生が、明日生きていられるか? を心配するような、そんな事の無いように、出来たら良いんですけどね。